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2016年3月12日土曜日

cellvis

細胞生物学者なので、培養に使うディッシュの品質にはうるさいわけですが、ただ、お値段にうるさいのも当然。特に分子の動きなどを見るにはガラスを底に貼り付けたディッシュ、ガラスボトムディッシュというのを日々使いますが、これがなかなか高い。こんなもの何でと思うくらいします。前も書きましたが。

CellvisというLAにある中国の会社(というのも妙だけど、中国で作ってそこから発送して、このLAではそういう取り扱いだけやってるところ)があり、これが輸入商社を介さずに直接購入できて、画期的なお値段で、このところ使ってます。細胞の生え方、水のはじき具合も良く、なかなか好印象。これまで、デフォールトで使ってきたMatTekに比べてずっと良い。MatTekは、日本の専属代理店ができたようで、買う気も無くなりました。

たまたまついでがあったので、この細胞が生える表面を走査電子顕微鏡で見てみました。もちろん、何にもないのがベストですが、大抵は何か見えます。こちらがMatTek社のガラスの培養面
一万倍にあげてるので、なにかは見えますが、規則正しい感じ。良く洗って磨いてあります。ガラスの縁もきれいに丸く削っています。さすが。

ではcellvisはどうか。
む・・・ 洗ってないのか研磨が足りないのか。数ミクロンの長い結晶のようなのはガラスかな。最後の処理を省くことで安くしているのかもしれません。もっとも細胞はきれいな表面を好むとは限らず、実際に細胞の培養具合はCellVisのほうが良いので、何とも言えませんが、再現性や、場所の均一性という点で、ちょっと微妙。