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2019年11月9日土曜日

睡眠時無呼吸アラーム付きのスマートウォッチ

前に書いた、Alibaba.comから買ったスマートウォッチ、V09Sが来ました。有名な巨大マートですが、ここから買うのは、初めて。こんな梱包テープでがんじがらめになって到着し、さすがと思いつつ開けました。

開けてみると、右のような新品が入っていて(あたりまえか)、電源アダプタと説明書だけの付属品のシンプルな作り。中は良い状態です。
説明書にまず驚きました。既に持っているP11では、日本語がひどく、英語で読んだほうがよくわかりましたが、この説明書、意味が通じるだけでなく、ほぼまとも。一部おかしなところも残ってるので、グーグル翻訳したものを日本人に校正させたような感じですが、よくできてます。こんなのはどうでも良いですが、安心させます。ほんとに睡眠時無呼吸チェック機能も入ってます。






















長くなったので、またそのうち書きます。人柱のつもりで買いましたが、びっくりするくらい高機能で使いやすい。なおアプリはFitupという、この会社が作ったものに変更になってます。アプリの日本語もちゃんとしてます。

2019年10月20日日曜日

光は質量を持たない

若い頃、いくら本を読んでもわからなかったことが、さすがにこれだけ長く研究しているとすんなりわかるようになることがあり、うれしくなります。

顕微鏡での計測、光子を数える測定の仕方を教えていると、やはり光が質量を持たないということくらい説明できないと恥ずかしい、と思って、ほんとに恥ずかしながら、こっそり特殊相対性理論を説明する講義ファイルを探したところ、早稲田・物理の立川先生による2年生の講義ファイルを元に高校生用に書き直されたものが公開されてました。さすがにおそろしくさくさく理解できます。金曜の夜、一仕事終わった後で、読みふけってました。ただ、感動。

4次元の空間を考えて、そこでの2点p, qの距離を世界間隔とよび、これを
spq^2 ≡-c^2(tq-tp)^2+(xq-xp)^2
と定義します。cは光の速度。t、xはそれぞれの点での時間と位置ベクトル。ミンコフスキー時空と呼びます。1項目は距離の次元に揃えるために速さと時間の積になってます。これにはマイナスがついてるのがポイント。光がこの2点間で移動する場合には、世界間隔はゼロにするように、つまり
c^2(tq-tp)^2=(xq-xp)^2
になるようにできてます。こうする意味は下に。

ここで、ちょっとだけ動くとき、この距離をΔrとして、動くものの慣性系(等速で移動する系)をs'とします。s'の座標にいるものはそこにいる、つまり変位はゼロなので、これの世界間隔を考えると、上の式の後半部分がなくなります。これを、ながめている私の慣性系をsとすると、
Δs^2=-c^2(Δt)^2+(Δr)^2=-c^2(Δt')^2
が成り立ちます。世界間隔は系に寄らず一定なので。

これを変形すると、動く速さをvとして
Δt'=Δt(-(1/c^2)(Δr/Δt)^2)^0.5=Δt(1-(v/c)^2)^0.5
となります。ルートを^0.5と書くのはこのブログでは書くにくいから。

これだけ。つまり、慣性系s'で表された動いてる物体に乗ってる人の時間変化は、(v/c)^2の分だけ、見ている私よりも小さいことになります。vが光に比べて遙かに小さいうちはごくわずかなものですが光速の半分で動くと、時間の進み方が(3/4)^0.5=0.866倍になります。この驚くべき世界の仕組みが、こんな簡単な式で現れるのです。感動的です。今まで知らなかった、恥ずかしい限りというのはさておいて。

こういう展開で、運動量について考えをめぐらすと、この運動量は時間が含まれるので、4元運動量と呼ばれるものを考えていき、実にわかりやすい展開で質量は速度が増すほど重くなることが示されます。行列が出てくるので書きませんが。

異なる慣性系から眺めると速さが変わることは我々は日常でよく知ってるわけですが、光だけが例外です。粒子でもあるのに。不思議なことに、ある物体がどれだけ速く移動しても、そこから発する光の速さはその移動速度の影響を受けません。これがマイケルソン・モーレーの驚くべき実験結果。上の世界間隔を使うと、光の場合は慣性系によらずゼロとなり、この現象をとりこめます。

速度が増して光速に達すると質量は無限大になり(4元)運動量も無限になりますが、これは許されないので、ものの速さは光速に達することはできません。質量を持つ限りは。よって、光子は質量を持たないことしかありえません。

基本的な部分は、テイラー展開さえなければ、入試に出したいくらいシンプルな証明。実際、ネットで探すと高校の先生が書かれたものもざらに見つかります。慣性系でない系を扱う一般相対性理論では非リーマン幾何学が出てきて、とても手に負えませんが、特殊相対性理論はそれほど難しい数学は必須な部分ではないので、好きな高校生ならやってるでしょう。この立川先生の説明が素晴らしいのもあるでしょう。それだけに、こんなシンプルな式の展開から、この宇宙の仕組みが解きほぐされるのは、感動以外の何ものでもありません。

それにしても、光は不思議としかいいようがありません。まさに、この世の最大の謎です。前にも書きましたが、札幌で、飛行機に乗り遅れそうになって、空港までタクシーで飛ばしてもらったとき、その運転手と話していたら、なぜか、その頃出たばかりのサイモン・シンがペレルマンの話を書いた「フェルマーの最終定理」の話になったことがあります。彼はそういう話が大好きで、一般書ですがすごくよくそのあたりの本を読んでいて、あれもこれも、と話が膨らみました。彼がぽつりと、自分が死ぬことは辛いとも思わない、だけど、宇宙の果てを見れないことだけは辛い、といったとき、どれほど私が万感のおもいでうなずいたことか。この人は同類だ、と感動した一瞬でした。

2019年10月12日土曜日

ブラウザでpdfを開かないようにする

ブラウザはWaterfoxからBraveに変更することにして、どのPCでもいれました。設定はほぼChromeと同じですが、Chromeは元々使ってなかったので、細かい設定で混乱することがあります。特に、このBrave、設定のエクスポートが見当たりません。

困ったのは、PDFのダウンロードをどこでひらくかの設定。デフォールトがブラウザ内でひらくようになってますが面倒なので、PDF-XChangeで開きたい。メインのPCにはどうにか設定してました。だけど、そのやり方を忘れてて、ノートに入れようとすると四苦八苦しました。

結局わかったのは、設定>その他の設定>プライバシーとセキュリティ>サイトの設定>PDFドキュメントです。これをオンにすればダウンロードして、指定のアプリでpdfを自動的に開くようにできます。まったく何でこんなにわかりにくいのだろう。また他のPCで設定しようとすると忘れてるに違いないので、備忘録でした。

>>2020/05/07
この設定はBraveから消えてます。PDFドキュメントを開いても、指定のアプリで自動的に開くことはできなくなりました。セキュリティでしょうが、めんどくさくなりました。

2019年10月6日日曜日

安いスマートウォッチは結構すごい

スマートウォッチが急速に進化していて、大幅に安くなってます。アマゾンでは2000円台のまであります。心電図がこのあたりの価格の機種ので取れるのが面白そうなので、探して、4000円台のJUSUTEKという、よくある中国の怪しげなお店で出してるのを買ってみました。こちら。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VY48936/

数千円で買えるスマートウォッチのアマゾンに並んでるものはひどいサイトが多く、おぼつかない日本語で、アマゾンのコメントをみるとほぼサクラ。その度合いをチェックするサクラチェッカーで調べると、堂々、90%のサクラ度合いとなり、危険認定されてます。だけど、だからといって、商品がインチキとは限らず、侮れないのが中国製品。最近では、中国のメーカーは、そういう怪しさを隠さないようになってます。ただ、その価値のないものは残らないわけで、売れてて自信を持ってきてるんでしょう。その割にサクラコメントを仕込むのがかわいいところですが、このあたり、漢方薬の発達と似てる(違う?)。

ともかく、このスマートウォッチは、心電図機能の他に、心拍数、睡眠状態、もちろん歩数、移動距離も出ます。ただ、まず買って躓いたのは接続。これはスマホのブルートゥースでつなぐのではなく、H BANDというアプリで直接つながります。しかもこのH BANDはGoogle Playに入っておらず、しかたないので説明書のQRコードでサイトにアクセスしてようやくアプリを入れることができました。 
入れるときに、承認されてないが大丈夫か、とまで聞いてこられます。大丈夫かといわれてもね。

ネットでいくらみても見つからないので、ついてきたマニュアルをあげておきます。日本語のはかえってわかりにくく不正確なので、英語のにしてます。
このマニュアルでもわかるように、これは意外とちゃんとしたスマートウォッチです。センサーは、ほかのバカ高いスマートウォッチと同じく、加速度センサーと心拍センサー、あとはゼリーをつけて測る心電図のセンサーだけですが、前二つだけの情報から相当な情報を読み取れるようにソフト面での猛烈な改良がされています。機械学習も随分入れてるはず。

特に驚くのは睡眠情報で、この機種では、深い睡眠、浅い眠り、レム睡眠、の時間が出てきます。このレム睡眠がほんとに測れるのかと思ったのですが、これは浅い眠りよりももっと浅い眠りとされるもののようで、レム睡眠というわけではないようです。これは、他機種では単に3段階の一番浅い眠りに位置づけられてます、たぶん。実際、寝たふりをしてても睡眠の継続時であれば、レム睡眠になります。こっそり本読んでてもレム睡眠になるし。

とはいっても、睡眠を分単位で検知していることに代わりはなく、ほぼ正確に計測できてるようです。私は一度寝入ると深い眠りに長く入るようで、女房もつけて比べてみましたが、睡眠時間のパターンが随分違います。彼女は猫に起こされてなかなか長く眠らせてもらえないので、浅い眠り、レム睡眠が頻繁に出てます。私のほうも、眠れてないと思った夜は、なるほど深い眠りの時間が短く、夜中に目を覚ましてた時間はぴったり記録されてます。だけど意外と寝てじゃない、と女房にばれて、今度寝れないと言ったら記録を調べるから、と言われてしまいました。

歩数はスマートウォッチの基本機能ですが、実数よりは少し多めに出てる気もします。が、手を振ったりパソコンをするくらいでは数えられず、結構、正確なのかもしれない。さすがにこれは励みになり、弱ってきてる足腰を鍛えようという気にもなります。田舎に住んでると車でしか移動しないので、どれだけ動かないかがよくわかります。札幌に行ったときは毎日一万歩は歩いてましたが、普段は4000歩もいきません。これはまずい。だから脚が弱るわけね。

心拍数情報もかなり使えます。この前、親しい医者のすすめで24時間心拍数モニタリングをやったときに心拍数が異常に上がってるという指摘がありました。それでスマートウォッチでまめにみると、だいたい、120くらいあたりで(いかにも)フィードバックがかかり下げります。この辺はリアルタイムでわかるので、どういうタイミングで運動すれば安全かわかります。スマホとつながってるときには、心拍が上がりすぎた瞬間を教えてくれる心拍数アラームも設定できます。

面白いのは、ローレンツプロットという散布図。これは、心拍間隔のゆらぎをプロットしたものです。心臓の鼓動の間隔には揺らぎがあり、複雑系の研究者がよくネタにします。これは副交感神経の活動状況を反映するので、ストレスの状況や、心臓機能の異常が反映されます。マニュアルには詳しくは書いてないですが、H Bandでは詳しい解析がでます。心拍数が上がってるときもこの間隔の数値が狭くなりますが、寝たりないときや懸案の多いときはこれの数値が下がり、要注意とでます。もう一つ、HRVという特に心拍数揺らぎの表示機能もあり、これは数値だけが出ます。この意味は、
https://gigazine.net/news/20171014-heart-rate-variability/
に詳しいですが、数値が出るだけなので、図が出て診断の出るローレンツプロットのほうがわかりやすい。

ただ、心電図測定は使えてません。心電図を測るときに使うゼリーのようなのを塗ってのだけど、うまく測れず。それはともかく、これだけの機能が5000円もしないで買えるのは驚異的。このスマートウォッチは、ほぼ、普通のスマホにあるのと同じような加速度センサーに心拍センサーを加えて、その情報を詳しく解析するようにしたものらしい。猛烈な機械学習ですな。なお、同じような値段の機種でも、心拍センサーに加えて酸素飽和度も調べるセンサーをつけたタイプもあるようです。こちらでは睡眠時無呼吸についてもわかるようになってるとか。こちら。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07XF6K36N
ばっちりこちらもサクラ度90%ではありますが。これを女房に買おうかどうしようかとまよってるところ。機能的には信頼しますが、充電が、現在の機種も含めて、ベルトを外して根元のUSB端子を直接さすがややめんどくさい。大体、一日一回はスマホにつないでる使用状態で、大体、もつのは4日くらいかな。

血圧測定というのもできますが、これはほんとなのかなあ。心拍数からみてるだけのような気がしますが、余り変化無いので、みてません。

これら膨大な中国製のスマートウォッチの各機種の違いはその情報の活用のようです。さきのサクラチェッカーで信頼おけるとされたスマートウォッチは、確かにコメントはまともそうですが、基本的な機能ばかりで面白くないものばかり。

このスマートウォッチは、ブルートゥースでなくH Bandというアプリにつなげます。他の同じ値段帯のはそれぞれに似たようなアプリを用意してます。いろんな若者たちが集まってアプリをつくってるのでしょう。他の波動か知りませんが、私のはこの接続がとてもめんどうで、毎回苦労してます。スマホのブルートゥースをオフにして、HBandを立ち上げて、接続のボタンを押して、スマートウォッチを一旦オフにして、入れ直します。それでもP11という機種IDがすんなり出ることはなくて、アプリの接続のボタンを入れたり出たりを繰り返してる必要があります。そのうちに大体はP11がでてきて、それを押すと接続がはじまり、データのロードがはじまります。ただその途中で切れることも頻繁で、データロードが終わるまで、油断できません。ま、車の中などで他に何もできないときにやってるからいいですが。

アップロードしたデータはクラウドに保存され、ずっと記録が残ります(これには、確か接続した初回にやるかと聞かれます。)。この情報を中国で他の目的に使ってるのかもしれませんが、それはいいとして。

接続しづらいのは、スマホ(こちらもファーウェイ、中国製)との相性なのかもしれないですが、ネットを見ると、これは一般的なトラブルの模様。なぜ普通にブルートゥースを使わないのかな?H Bandが怪しげなソフトである事は確定と思いますが、その半端ない機能は魅力的です。なおH Band2というのがGoogle Playにありますが、このスマートウォッチではつながらず。この辺、よくわかりません。何か、スマホの情報を抜き出してるのかもしれない。一応、SMSとリンクすることはできるみたいだけど。ともかく、こういう怪しげなのでもハイテクの部分を楽しめて、スマホのデータの流出防止に自信のある人、または知ったことではない、という人には、格好のおもちゃです。

追記
だけどこのアプリ、HBandはどうもほんとにウイルスに感染してるのかもしれません。これをグーグルドライブにあげるとウイルス検出される始末。トロイの木馬かな。GooglePlayに入れられてないというのは、そういうことなのでしょう。中国のGoogle Playを見ると不思議と入ってますが、ここからインストールがどうやってもできません。これはこういうことを楽しめる人向け。とはいっても、同価格帯の他の機種では難なくつながり、アプリもgoogleplayにあるしブルートゥース接続するようなので、この機種以外ならもっと普通に便利なようです。

2019年8月21日水曜日

緬羊の町

「 一日に8回しか列車の停まらない駅、ストーヴのある待合室、寒々とした小さなロータリー、字が消えて半分も読めなくなってしまった町の案内図、マリーゴールドの花壇とななかまどの並木、人生に疲れ果てた汚れた白い犬、やけに広々とした通り、自衛隊員募集のポスター、三階建ての雑貨デパート、学生服と頭痛薬の看板、小さな旅館が一軒、農業協同組合と林業センターと畜産振興会の建物、風呂屋の煙突が一本だけぽつんと灰色の空に向かって立っている。大通りの先を左に折れ、二筋進んだところに町役場があり、広報課には彼女が座っている。小さな、退屈な町だ。一年の半分近くを雪に覆われている。そして彼女はその町のために公報の原稿を書き続けている。」

はるか昔に買って長らく読んだつもりでいた村上春樹の「カンガルー日和」、なんと、この有名な短編集をまだ読んでませんでした。実家の本棚を物色してたときにこれに気がついて、持ち帰ってスキャン。ピンキリではありますが、ダントツなのは、この「彼女の町と、彼女の緬羊」。彼がのちに希有の長編書きになっていった、その理由がこれを読むとよくわかります。冒頭は、札幌郊外の、沢山の羊が飼われていて、寂れつつある町で、町の広報担当として、日々、町内放送を続ける女性、その町を思い描く僕。

このイメージがまさに彼の奔放な想像力と魅力。こうして書き留めると、ひとつひとつの文は特に何でもない、だけどこうやってもう少し大きく切りだして眺めると、彼ならではの物語作りの才を強く感じます。この出発点と、もう一つ、この中にある、印象的な長めの短編、初めて羊男が登場する「図書館奇譚」とともに、たぶん白昼夢のように、羊をめぐる冒険は生まれたのか。

なにをいまさら半世紀ほど前の話を、といわれそうですが。

2019年7月30日火曜日

2日前に地球をかすめた小惑星

予期されたことのすべてに対応はできなくても、心の準備はできるものです。だけど、この記事、小惑星が地球のほんの近くをかすめた、という話には、戦慄を覚えます。この場合、心の準備はできなくてよかったかもしれない。
https://www.businessinsider.in/a-city-killer-asteroid-got-scarily-close-to-earth-yesterday-and-astronomers-didnt-know-about-it-until-it-was-just-days-away/articleshow/70404032.cms

この惑星の軌道の動画はこちら
https://thumbs.gfycat.com/MarvelousGraciousCommongonolek-mobile.mp4

地球と月の間の1/5以下のところを27日にかすめ去ったとのこと。その一週間前くらいまでは全く誰も気がついてなかったとか。気がついても、この情報を広めなかったというところは、深い配慮。ただ、これが日本だと、いつ知ったのか、なぜ言わなかったのか、とワイドショーで追求されそうですが、賢明でした。そもそも、そんなワイドショーをみれるのは幸せな証。

これは直径が130mくらいで、前世紀初頭にシベリアに落ちたツングース隕石よりも大きかったようです。これがどこかに落ちていれば、と考えると。。。

映画で、繰り返し描かれる主題ですが、いつでも起こりえること。こんな中、韓国とどうのこうのという話や吉本がどうの、という話ばっかり流れてます。北朝鮮のミサイルにそなえて、とかいってるよりも、よほどリスクが高いと思うのだけど。だけど、とくにこういう見えない小惑星には防ぐ手だけはないから、こういうことは知らないで、他の事にかまけてた方が良いのかもしれません。

2019年7月15日月曜日

サプリの安全性情報

高齢のお袋に謎の症状がでていて、いろいろと点検していると、やはり気になるのはサプリ。怪しいものは飲まないように気をつけてはいても、サプリは濃縮されてるので、思わぬ薬害が出ることがあります。とくにまじめな調査は宣伝もされないので、そのつもりで探さないとなかなか見つかりません。

このところ、この関連でまずみているのはもちろん厚労省の研究所である国立医薬基盤・健康・栄養研究所の、健康食品の安全性・有効情報。
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv.html
ただ、健康食品でサーチしても、一般人がここをみるのはあまりなさそう。またその中身も羅列的で、わかりにくく、これでどれだけ、普通の高齢者が参考にできるものか。ただ、そういう情報のポータルとして一番あてになります。だけど、一般人に広報するつもりもなく、全くのお役所仕事。

他に、日本医師会が平成22年度から29年度までに集めた事例集、健康食品安全情報システム事業の成果報告というのがあります。たぶん、医師会がお金をもらって、健康食品安全情報システム委員会というので審議した内容と思いますが。これはおそらく医師が報告した事例が少なく(一般の医師には関連性に確信が持てるまで調べる余地もなさそうだし)、わずかしかありませんが、その中で、いくつか目をひくものがあります。医師向けで一般用じゃないので、なかなか見つかりませんでした。私のような医学系基礎研究者は医師会には入ってないので。ま、もらえばいいわけですが。

たとえば、うるさいくらい宣伝されてる、シジミ関連のサプリで、シジミ習慣、というのがあります。おそらく血栓を防ぐためにワーファリンを飲んでる56歳の人が、ワーファリンの効きが悪くなり血が固まりやすくなって増量が必要になり、なぜだろうと調べるとシジミ習慣が原因だったらしいということ。これはシジミ習慣のなかにビタミンKの一種が入っていて、何しろ、シジミの成分が猛烈に濃縮されていて高濃度に含まれるので、それをやめてもらったところ、元の安定した状態にもどったとのこと。

これは典型的なサプリの問題で、普通食事でとるよりも遙かに濃縮されてるので、人体実験のようなものです。食品由来ということで安全性検査もあまり長い期間はされないので、問題が出やすい。

サメ軟骨、グルコサミンでは、手足の浮腫、かゆみや肝臓機能障害、がいくつも報告されています。 これらの事例では、やめると直ってるので、ほぼそのせいでしょう。ただ、グルコサミンは有効なのは確かで、量とその他の成分でしょうね。サメ軟骨はやめた方が良いと思うけど。

コエンザイムQの被害は有名で、肝障害を起こしてます。これもやめたら治ってます。やはり、大量にとるので、肝臓が障害を受ける場合は多く、ほかにオルチニン、とあったけど、これはオルニチンの間違い、医師会が間違えるようでは。これで肝障害になった例もあります。ウコン、クルクミンはすっかり有名になってるのでいうまでもないところ。

意外なものでは、黒酢の濃縮粉末というのがありました。これは胃がおかしくなったようで、胃粘膜の病変になっていて明らかにクロスによる胃炎だとか。こんなの濃縮するなよと思いますが。

やめることで直った結果、特定できた例が多いですが、中にはあまりに多くをとっていたために、やめてもなおっておらず、どれが原因なのかわからない、だけど医師は疑ってるという例もあります。ある人は、ロイヤルゼリー、グルコサミン、ビタミンB類、穀物麹、ごま酢、桑の実、コエンザイムQ、カルシウム、ウナギ肝臓、ビタミン類、ととっていて、ともかく取り過ぎで、肝臓を痛めて肝不全になりました。これでは、元に戻れません。

珍しいものでは、indigo naturalis, といういかにも青そうな名前のものを主成分とする、青黛というものがあるそうです。昔から潰瘍性大腸炎の治療に漢方では使われていて、健康食品でもでてるとか。これは肺動脈性高血圧を引き起こすので、これは厚労省から注意喚起が出ています。ただ、この医師会の調査のでは、結腸炎を起こしてるらしい。これは回復されてないとか。

過剰のサプリは死亡率を上げるという報告が相次いで出ています。だけど効くサプリもあるのは確か。グルコサミンは関節内に分泌される細胞外マトリクスを増やすことで骨のスムーズな動きを確保するので痛みに効くようだし。だけど、基本的に、メーカーにとって、もっとも大事なことは売り上げなので、必要以上に多く摂らせがちです。

メーカーのいう一日あたりの量は、厳密な検討の結果決められる薬と違って、サプリの売り上げに都合のいい目安の場合が多い感じがします。効果があると感じる最小限にしたほうが無難。サプリなら、文字通り、足りないから飲むものなので、飲んですぐに効き目が出るはず。でないのなら、さっさとやめるべきです。とくに、注意書きを小さな字で難しく書いてあるサプリはやめたほうがいい。というのは、サプリに限らずどの商品でも同じですが。