1973年のピンボール、たぶん20年ぶりくらいに読みかえしました。若い頃は、これが一番好きでした。ベストな作品でないとはそのときから思ってましたが、これや、その前の風の歌に、漂う叙情と感傷が、やはり若い頃にはぴったりくるものです。たとえば、こんなところ。
「様々な香りが鼠の鼻先を穏やかに漂い、そして消えていった。様々な夢があり、様々な哀しみがあり、様々な約束があった。結局はみんな消えてしまった。
・・・」
改めて読んでも、やはりこういう表現はいいし、後年、深みを増すなかで失われていった部分もあるようには思います。何より、今回つよく感じたのは、これの前半は、この当時はやっていた、カート・ヴォネガットの特に、「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」との強い影響というよりは模倣。これは大金持ちの家に生まれ、貧しい人々にお金をばらまこうとするローズウォーターと財産管理しようとする周りの格闘を描いた、ユーモラスで苦く、心に残る物語。よく似たトーンで、なんだか、ハイホー、といいそう。そういえば、彼もどこで良く使ってなかったっけ。
1970年代、嵐が通り過ぎて、ギターを燃やすかわりに、放り投げてどこかにいってしまった時代。だけど、ギターは放り投げて、パスタをゆでてはいても、若者の心の中の嵐はいつの時代でも過ぎ去ることはなく、不安と焦燥がパスタをゆでるお湯の中に映っているだけ。カート・ヴォネガットが確立したスタイルはまさにその空気を的確に反映したものでした。
でも、この作品では後半になるにつれて、次第にその模倣は姿を薄めて、以降の村上春樹の向かう世界が少し現れてきます。新鮮さは風の歌ほどでもなく、完成度や深さは以降の作品ほどあるわけもなく、彼の代表作とはなりえないですが、でも 私はやはりこれは好き。
後年、芥川賞がこれや、最初の「風の歌を聴け」に与えられなかったことで、賞自体が批判されたこともあるようですが、どうでもいいこととはいえ、むしろ芥川賞には違和感があります。風の歌が群像の新人賞を受けたという結果が、一番相応しい。
なにげない、こんな表現がとても好き。彼はこれを掘り進めていった。
「・・・・・・
職人には二人の息子がいたが、どちらも跡は継がずにこの土地を出ていった。そして残された家は誰ひとり近寄るものもないまま廃屋になり、長い年月をかけてゆっくりと朽ち果てていった。そしてそれ以来、この土地では旨い水の出る井戸は得がたいものとなった。
・・・・」
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2018年9月29日土曜日
培養細胞は不安定
ラボではjournall clubを他のラボと一緒にやってます。違う分野なので思いも寄らぬ内容が出てきて、気兼ねなく話せるので楽しいのですが、今日、他のラボのスタッフから紹介された一連の論文は衝撃的でした。
細胞生物学においては細胞を培養するのが実験の第一歩で、それぞれ、目的に応じた培養細胞を使います。我々はより普遍的なことを知りたいので、生きてれば何でもよくて、ごく一般的な汎用細胞を使ってます。培養細胞は、基本、無限に増えるがん細胞ですが、ただ、飼っている間はいくら増えても同じ遺伝子を同じだけ持ってると、何の疑いもなく思ってました。
ただ、昔から、汎用細胞、特にHeLaや、他の良く使う細胞はラボによって随分違う表現型を持つということはよく知られているし、その亜型を使い分けてもいます。今回、Broad Instituteのグループ(ToddGolub)はそれを進めて、あちこちのラボからMCF7という良く使われる培養細胞を集めて、それらの全遺伝子を調べるということをやりました。こちら
https://www.nature.com/articles/s41586-018-0409-3#Fig10
結構違うだろうなという予想はあったものの、その、違いのレベルが、実はとんでもないものだったという報告です。ラボ間での違いだけでなく、細胞に遺伝子を入れたり削ったりする場合は単一細胞を取ってそれから増やす、クローン化という操作を行いますが、その過程でもどんどん変わっていってるということが示されました。わかりやすいのが下の写真、MCF7の染色体を並べてますが、驚き。そもそも2倍体の方が少なく、4つのや5つのもあるし、ひとつのもある。しかも培養してから一年も経っていないのに、染色体の数すら各染色体で変わっています。
たとえば第五染色体は最初が4倍体、それからクローンを拾った時点で3つになり、半年経ったときにそのクローンが4つに戻ってます。13染色体は、2つあったのが一つになり、半年したら、これはゼロってこと?。。。この細胞は遺伝子が特に不安定な要素ということもありえるそうですが、そうはいっても、もっとも良く使われる細胞の一つです。小保方さんの実験も、こんなことに遭遇したせいだったのかもしれないと、ちらっと思ってしまいました。写真の合成はありえないにしても。
これでは、ゲノム編集するときに何個のアリーレの遺伝子変化を正解とすればいいのでしょう。普通は、2つ削れてるのがあれば両アリーレが変わってて、いずれもframeがずれてればその遺伝子はつぶれてるとみなすのが普通ですが(発現量のチェックはするにしても)、こんな染色体組成だと、そんなのはまったく根拠なし。まずはその遺伝が乗る染色体の数を調べないと。しかも実験している最中にやらないと意味ないし。彼らはどのsingle cloneも染色体のパターンも違ってたと言ってます。また、配列自体も変化してるとか。
私らはクローン化すると、クローンの「個性」が出てしまうので、よほど必要がない限りやらないでが(過去の経験から)、そういう感覚がそんなに意味があるとは思いもしませんでした。そもそもクローン化したらずっとその遺伝子型というのが常識でした。ただ、細胞を起こしたら、2-3ヶ月の培養で終了にして元ストックから起こしましょうとは言われてきてます。でもほとんどそれにしたがってるところはないでしょう。
これでは培養細胞の研究は、その細胞が相当なアバウトさを持ってることを前提で進めないといけない。論文では遺伝子ごとの変異を徹底的に調べて、どんどん変わっていく遺伝子がある事を見つけており、それは形質転換されたMCF7に限らず、”正常”とされるMCF10Aでも似たり寄ったりだったとか。。。
だから、細胞の実験は、やる度に違う結果になったり、しばらくするうちに再現されなくなったりすることも珍しくなのかもしれない。特にこれは、shRNAで遺伝子発現を抑制した細胞をクローニングすると、その表現型は割と早くに消えてしまうことも説明しそうだ。感覚的には納得できるものの、これは大変だ・・
細胞生物学においては細胞を培養するのが実験の第一歩で、それぞれ、目的に応じた培養細胞を使います。我々はより普遍的なことを知りたいので、生きてれば何でもよくて、ごく一般的な汎用細胞を使ってます。培養細胞は、基本、無限に増えるがん細胞ですが、ただ、飼っている間はいくら増えても同じ遺伝子を同じだけ持ってると、何の疑いもなく思ってました。
ただ、昔から、汎用細胞、特にHeLaや、他の良く使う細胞はラボによって随分違う表現型を持つということはよく知られているし、その亜型を使い分けてもいます。今回、Broad Instituteのグループ(ToddGolub)はそれを進めて、あちこちのラボからMCF7という良く使われる培養細胞を集めて、それらの全遺伝子を調べるということをやりました。こちら
https://www.nature.com/articles/s41586-018-0409-3#Fig10
結構違うだろうなという予想はあったものの、その、違いのレベルが、実はとんでもないものだったという報告です。ラボ間での違いだけでなく、細胞に遺伝子を入れたり削ったりする場合は単一細胞を取ってそれから増やす、クローン化という操作を行いますが、その過程でもどんどん変わっていってるということが示されました。わかりやすいのが下の写真、MCF7の染色体を並べてますが、驚き。そもそも2倍体の方が少なく、4つのや5つのもあるし、ひとつのもある。しかも培養してから一年も経っていないのに、染色体の数すら各染色体で変わっています。
たとえば第五染色体は最初が4倍体、それからクローンを拾った時点で3つになり、半年経ったときにそのクローンが4つに戻ってます。13染色体は、2つあったのが一つになり、半年したら、これはゼロってこと?。。。この細胞は遺伝子が特に不安定な要素ということもありえるそうですが、そうはいっても、もっとも良く使われる細胞の一つです。小保方さんの実験も、こんなことに遭遇したせいだったのかもしれないと、ちらっと思ってしまいました。写真の合成はありえないにしても。
これでは、ゲノム編集するときに何個のアリーレの遺伝子変化を正解とすればいいのでしょう。普通は、2つ削れてるのがあれば両アリーレが変わってて、いずれもframeがずれてればその遺伝子はつぶれてるとみなすのが普通ですが(発現量のチェックはするにしても)、こんな染色体組成だと、そんなのはまったく根拠なし。まずはその遺伝が乗る染色体の数を調べないと。しかも実験している最中にやらないと意味ないし。彼らはどのsingle cloneも染色体のパターンも違ってたと言ってます。また、配列自体も変化してるとか。
私らはクローン化すると、クローンの「個性」が出てしまうので、よほど必要がない限りやらないでが(過去の経験から)、そういう感覚がそんなに意味があるとは思いもしませんでした。そもそもクローン化したらずっとその遺伝子型というのが常識でした。ただ、細胞を起こしたら、2-3ヶ月の培養で終了にして元ストックから起こしましょうとは言われてきてます。でもほとんどそれにしたがってるところはないでしょう。
これでは培養細胞の研究は、その細胞が相当なアバウトさを持ってることを前提で進めないといけない。論文では遺伝子ごとの変異を徹底的に調べて、どんどん変わっていく遺伝子がある事を見つけており、それは形質転換されたMCF7に限らず、”正常”とされるMCF10Aでも似たり寄ったりだったとか。。。
だから、細胞の実験は、やる度に違う結果になったり、しばらくするうちに再現されなくなったりすることも珍しくなのかもしれない。特にこれは、shRNAで遺伝子発現を抑制した細胞をクローニングすると、その表現型は割と早くに消えてしまうことも説明しそうだ。感覚的には納得できるものの、これは大変だ・・
2018年9月22日土曜日
残された校舎 九大で
かつて九大では、六本松で教養課程を終了した学生は箱崎キャンパスに移って専門課程に入ることになっていました。電停を挟んで左に向かうと文系キャンパス、右手は理系の人間の行くところでした。生協もあったので、左手にも時々行きましたが、同じ大学でありながら、そこはまったく未知の世界。
その当時は学生運動はほぼ消えかけ、それでも立て看と講義中に侵入してアジテーションする活動家、彼らのアジトとしていたサークル棟は、まだ健在でした。箱崎のメインキャンパスは医師薬系を除いた理系と文系からなり、住宅街のど真ん中にあって、絵に描いたような学生街でした。どれだけ多くの物語がここで生まれたことでしょうか。
住民に迷惑をかけたことも数限りなくあったはず。でも、おおかた、街には温かく迎えられていた印象がありました。学生運動の激しかった頃、学生たちがよく通っていた鳥屋さんが、逃げ込んできた学生を匿って、警察を追い払ったという話もありました。この鳥屋さんはとにかく怖いおばさんがしきっていて、作法を守らないとどなられます。それで学生たちは緊張しつつも余りのうまさと安さに通ってましたが 警察もあの女将さんには恐れをなしたのでしょう。いまでは、聞いた話では、この鳥屋さんは、特別なつてがないと予約も取れないそうで、警察とか県関係者とかばかりになってるとのこと、ほんとかな。
箱崎という、博多とも少し違った文化を持った街の中の大学、これが九大の魅力でもありました。それが、福岡市の西の端にある山の中に移転してしまいました。
物事が整理され、説明つかないものが次第に消されつつある時代です。これは大学は郊外に移転することが先進的と考えられた時代に決められました。街の真ん中に大学があるので、都市の発展を邪魔してるという声も、経済界の方からでていたような記憶があります。大学側では誰が旗を振ったのかわかりません。いくら街から言われても断ることはできたはず。自分たちには関係ない先の話だからと、歴代の執行部は拒否する労と時間を惜しんだのかもしれません。巨大な資本の前には、気がついたときには、もう元には戻れなくなっていたというのもあるでしょう。
誰も行きたくはないので可能な限り先送りにされてきたという話は聞いてました。次の代までは遅らせて、と。加えて、とにかく何もなかった地域なので、交通網の整備も必要でした。予定よりどれだけ遅れたのかわかりませんが、今頃になって実現しました。移転した新キャンパスには行ったことないですが、マップで見ると確かに広い。合理的な建物が端正にならんでるのでしょう。だけど、元々、街がないところに作ったキャンパスなので、まだあまりいい話は聞こえてきません。筑波大学がつくば市を作ったように、新キャンパスが街を作るのは長い時間がかかることと思います。特に学生には気の毒。
北海道で大地震が発生したころに、ネットの記事に、取り壊すことになっている九大文系キャンパスで爆発があったと出ていました。法学部の建物でとしかなく、小さな記事でした。てっきり、学生運動系の残り香かと思ったら、続報が出て、研究室を使用していた40台の卒業生でした。大学院は中退で学位は取られてません。
法学のなかでも、専門は憲法学だったという話。その研究を続けたくて大学での非常勤などを続けていたそうです。アカデミアでのポストが厳しくなってきている中、というよりは、特に文系で学位がなくて40を超えていると大学での定職が厳しいことは今も昔も変わりません。法学なので、学位を取るには時間がかかります。非常勤講師などをしながらなんとか学位を取ってと、アカデミアにとどまろうとしていたのでしょう。
だけど時間ばかりが過ぎさり、次第に追い詰められていった彼の心持ちは、痛いくらいよくわかります。カオスが可能性として認められていた時代の終わりに、生きる余地をなくしていったのかもしれません。せめて自分で決めた最後の夜には、箱崎の街のいつも通っていた定食屋さんでゆっくりと食事されたことを願います。
その当時は学生運動はほぼ消えかけ、それでも立て看と講義中に侵入してアジテーションする活動家、彼らのアジトとしていたサークル棟は、まだ健在でした。箱崎のメインキャンパスは医師薬系を除いた理系と文系からなり、住宅街のど真ん中にあって、絵に描いたような学生街でした。どれだけ多くの物語がここで生まれたことでしょうか。
住民に迷惑をかけたことも数限りなくあったはず。でも、おおかた、街には温かく迎えられていた印象がありました。学生運動の激しかった頃、学生たちがよく通っていた鳥屋さんが、逃げ込んできた学生を匿って、警察を追い払ったという話もありました。この鳥屋さんはとにかく怖いおばさんがしきっていて、作法を守らないとどなられます。それで学生たちは緊張しつつも余りのうまさと安さに通ってましたが 警察もあの女将さんには恐れをなしたのでしょう。いまでは、聞いた話では、この鳥屋さんは、特別なつてがないと予約も取れないそうで、警察とか県関係者とかばかりになってるとのこと、ほんとかな。
箱崎という、博多とも少し違った文化を持った街の中の大学、これが九大の魅力でもありました。それが、福岡市の西の端にある山の中に移転してしまいました。
物事が整理され、説明つかないものが次第に消されつつある時代です。これは大学は郊外に移転することが先進的と考えられた時代に決められました。街の真ん中に大学があるので、都市の発展を邪魔してるという声も、経済界の方からでていたような記憶があります。大学側では誰が旗を振ったのかわかりません。いくら街から言われても断ることはできたはず。自分たちには関係ない先の話だからと、歴代の執行部は拒否する労と時間を惜しんだのかもしれません。巨大な資本の前には、気がついたときには、もう元には戻れなくなっていたというのもあるでしょう。
誰も行きたくはないので可能な限り先送りにされてきたという話は聞いてました。次の代までは遅らせて、と。加えて、とにかく何もなかった地域なので、交通網の整備も必要でした。予定よりどれだけ遅れたのかわかりませんが、今頃になって実現しました。移転した新キャンパスには行ったことないですが、マップで見ると確かに広い。合理的な建物が端正にならんでるのでしょう。だけど、元々、街がないところに作ったキャンパスなので、まだあまりいい話は聞こえてきません。筑波大学がつくば市を作ったように、新キャンパスが街を作るのは長い時間がかかることと思います。特に学生には気の毒。
北海道で大地震が発生したころに、ネットの記事に、取り壊すことになっている九大文系キャンパスで爆発があったと出ていました。法学部の建物でとしかなく、小さな記事でした。てっきり、学生運動系の残り香かと思ったら、続報が出て、研究室を使用していた40台の卒業生でした。大学院は中退で学位は取られてません。
法学のなかでも、専門は憲法学だったという話。その研究を続けたくて大学での非常勤などを続けていたそうです。アカデミアでのポストが厳しくなってきている中、というよりは、特に文系で学位がなくて40を超えていると大学での定職が厳しいことは今も昔も変わりません。法学なので、学位を取るには時間がかかります。非常勤講師などをしながらなんとか学位を取ってと、アカデミアにとどまろうとしていたのでしょう。
だけど時間ばかりが過ぎさり、次第に追い詰められていった彼の心持ちは、痛いくらいよくわかります。カオスが可能性として認められていた時代の終わりに、生きる余地をなくしていったのかもしれません。せめて自分で決めた最後の夜には、箱崎の街のいつも通っていた定食屋さんでゆっくりと食事されたことを願います。
2018年9月19日水曜日
キーリピートが遅くなった
キー操作が妙に遅くなってしまい、ESETのせいかと、そもそもOSのセキュリティがあるからいらないやと削除して、やや改善された部分があったような気もしましたが、でも、妙に突っかかる感じで遅い。明らかにキーリピートが遅くなってる。もちろん、control panelのキーボードのところでrepeatの速度は最速にしてるのに、どうもこれが反映されなくなったみたい。
そこでネットを探すと、ありました。
https://www.teradas.net/archives/12717/
設定で変えるなどというおだやかなことをせずに、regeditでレジストリを変更すれば良いらしい。確かに、レジストリの
HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Accessibility\Keyboard Response
を見ると、defaultのままの値になってます。これはまたもOS更新の際のバグだな。
サイトのおすすめでもまだレスポンスが遅いので、ちょっとだけ変えて、
AutoRepeatDelay:200(初期値 1000 )
AutoRepeatRate:16(初期値 500 )
DelayBeforeAcceptance:0(初期値 1000 )
Flags:59(初期値 122 )
にしてみました。かなりてきぱき。ただBackSpaceでの削除が早すぎて削りすぎてしまうこともあり、AutoRepeatDelayは250くらいがいいのかもしれせんが、はやいすぎるくらいのほうがいいかな。かなり快適になりました。ありがとうございます。
そこでネットを探すと、ありました。
https://www.teradas.net/archives/12717/
設定で変えるなどというおだやかなことをせずに、regeditでレジストリを変更すれば良いらしい。確かに、レジストリの
HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Accessibility\Keyboard Response
を見ると、defaultのままの値になってます。これはまたもOS更新の際のバグだな。
サイトのおすすめでもまだレスポンスが遅いので、ちょっとだけ変えて、
AutoRepeatDelay:200(初期値 1000 )
AutoRepeatRate:16(初期値 500 )
DelayBeforeAcceptance:0(初期値 1000 )
Flags:59(初期値 122 )
にしてみました。かなりてきぱき。ただBackSpaceでの削除が早すぎて削りすぎてしまうこともあり、AutoRepeatDelayは250くらいがいいのかもしれせんが、はやいすぎるくらいのほうがいいかな。かなり快適になりました。ありがとうございます。
2018年9月16日日曜日
斧の思想
石原吉郎の「斧の思想」のなかにある「フェルナンデス」という詩、
「(前略)
・・・・・
しかられたこどもが
目を伏せて立つほどの
しずかなくぼみは
いまもそう呼ばれる
ある日やさしく壁にもたれ
男は口を 閉ざして去った
<フェルナンデス>
しかれたこどもよ
空をめぐり
墓標をめぐり終えたとき
私をそう呼べ
私はそこに立ったのだ」
シベリアで抑留され、おおよそ人が望まないような人生を強いられたこの詩人。フェルナンデスとは、壁にもたれていた「男」のこと。それ以上は何も語られていない、影のように、この詩人は、彼のもたれていた壁のくぼみを見つめている。
「(前略)
・・・・・
しかられたこどもが
目を伏せて立つほどの
しずかなくぼみは
いまもそう呼ばれる
ある日やさしく壁にもたれ
男は口を 閉ざして去った
<フェルナンデス>
しかれたこどもよ
空をめぐり
墓標をめぐり終えたとき
私をそう呼べ
私はそこに立ったのだ」
シベリアで抑留され、おおよそ人が望まないような人生を強いられたこの詩人。フェルナンデスとは、壁にもたれていた「男」のこと。それ以上は何も語られていない、影のように、この詩人は、彼のもたれていた壁のくぼみを見つめている。
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