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2019年12月21日土曜日

核融合炉の競争

核融合発電がついに、実証段階の競争になってきました。25年までに国際共同プロジェクトITERが実証を開始することは以前から表明してましたが、同じく25年までにGeneral Fusionというカナダの会社が、アマゾンのジェフ・ベゾスなどの支援を得て総額330億円くらいで磁化標的核融合方式という、これまでの方式の融合したやり方を使った核融合発電の実証プラントを稼働させるという話です。

ITERでは2兆8千億程度になると見られているので、それに比べて大幅なコストダウン。現実味を帯びてきました。330億、世間一般的にはものすごい金額ではありますが、東京オリンピック会場よりは遙かに人類への貢献になります。この装置、ポイントは液体金属のようで、これで電磁場で超高圧を実現し、熱交換を可能にする、という理解で正しいのかな。すでにこれは建設がはじまってます。
https://gigazine.net/news/20191217-general-fusion-nuclear-bezos/

ただ、まだ核融合による発電ができたわけでないですが、理論的にはできてるので、実証としてそれを証明する、というところなのでしょう。こんななか、中国が来ないわけがないわけで
https://gigazine.net/news/20191220-china-artificial-sun-fusion/

2006年に建設が完了したこの核融合炉EASTは昨年、1億度(ケルビン?)を達成し、来年には2億度に到達予定で、試験運用の開始だとか。ただ、温度だけなら日本の原研が5億度、しかもプラズマ封じ込め時間を28.6秒達成しています。この中国のEASTの特筆すべき点は、お値段が3700万米ドルくらい。カナダのより一桁安上がりのようです。

いずれにしても太陽の核の温度1500万度を遙かに上回っています。一億度なんて、レイ・ブラッドベリの世界と思ってました。ITERでは25年には50万キロWの出力を予定してるらしいけど、中国のはどれくらい行くのでしょう。永久に到達しない、文字通りの夢の技術とも揶揄されてきましたが、近づいてきました。こういう競争には、わくわくします。


興味ないらしい。。。