S11を買ったからにはLTEをいれないと意味ないので、各社見比べて、現時点でこちらの目的に最も合いそうなエクサイトを選択。たまに使うという程度なので、使わないときは最小の値段にという条件で調べると、従量課金のほうがよさそう。申し込んで、6日後にdata専用SIM到着。 接続開始となる次の日に、まずエクサイトのマイページで契約完了を確認して、SIMを挿入。白いので後ろから見るとちょっと目立つけど。
ここからが難題でした。APNを「ネットワークとインターネットの接続」から入って、携帯電話のところから設定するのですが、NTTDOCOMOの、切断済み、の文字が消えません。そのうえに既定のAPNというのがあり、その下にNTTDOCOMOのAPNがあり、いれた内容は入ってるように見えますが、気になったのはNTTDOCOMOの後ろに(HSDPA)というのがついてること。なんだかわかりませんが、どうもこのAPNが正しく認識されてない模様。
ではそのうえの「既定のAPN」を削除してAPNを作り直せば、その下が有効になるだろうと、削除しようとしても、これの「削除」アイコンが操作できない。その上、NTTDOCOMOのAPNを入れ直そうとこちらを削除しようとしてもできない。新規にAPNを入れようにもできない。
しばらく考えて、これはAPNを使っているから削除できないことにようやく気がつき、この「携帯電話」の接続を切って、他のネット情報から機内モードをオンにしてからいったんオフにして、WiFi接続を入れました。この状態でAPNの設定を見ると、相変わらず、「既定のAPN」はでてますが、少なくとも、NTTDOCOMOのAPNは消すことができました。それで新たにANPを入れ直して、保存。今度は、「既定のAPN」はその上に相変わらずでてますが、なんだかその前とは違う印象。よく覚えてないけど。
そこで、WiFiをきったところ、今度はあっさり、NTTDOCOMO(LTE)と表示が出て接続完了。やはり(HSDPA)がでてるときはだめらしい。HSDPAが何なのかわかりませんが、とにかく、接続できました。
ともかく、これでWiFiがなくてもネットにつながるようになりました。NTTの回線なので、これまでのWiMaxよりも格段に範囲が広がります。ようやく新幹線の中でも使えるようになったかな??ネットの評判通り、かなり高速です。ただ、これでリモートデスクトップをするとえらいことになるので、気をつけないといけません。
追記
エキサイトモバイルのこの契約は正解でした。接続が素早く、WiFi並で、当然ながらWiMaxと比較にはなりません。こんなに違うものかと驚きでした。毎月余らせてるので、2G使えますが、ほとんど仕事と家の往復だからというはあるにしても、車の中でも良く使うし出張の時でもつけっぱなしですが、500Mにもなりません。普通のブラウジングやメールで使う通信料はしれるようです。YouTube程度ならおそらく相当見てもまったく余裕。ダゾーンだとどうなるのか知りませんが。リモートデスクトップで心配と上に書いてましたが、全くの杞憂でした。短い時間にしてもよく使ってますが、たいしてかかりません。これで月々500円くらいとは。
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2017年9月28日木曜日
2017年9月23日土曜日
エチブロに代わるDNA染色試薬 追記240930
研究系掲示板で度々話題に上がるのが、DNAをどうやって染めるか。これまで使ってきたエチブロでいいものか。実質安全だから使い続けても良いという主張と、変異原性ははっきりと証明されてて、これだけいろんな安全な代替試薬が出てるんだからそれに切り替えるべき、という主張の対立が長く続いてました。いまではエチブロを使い続けてるところはさすがに少ないと思いますが、では何に置き換えるかは悩ましいまま。
うちのラボではずっと以前から、紙にエチブロがしみこませてあるエチブロシートを使ってました。これは紙にエチブロがしみこんでいるのでゲルの上に乗せればよく、エチブロ溶液はつかわず、あとはゲルと一緒にまるめてぽいできるので安全。これはEdvotekというアメリカのメーカーが主に実習用にと開発したもので、そのCOEとやりとりしていたこともありました。日本でこれをひろめようと、コスモバイオの人もやってきて協議したのですが、どうしてもゲルの上に置いて数分待たないといけないし、ゲルの中にエチブロを入れるという、昔は一般的だったやり方より感度が落ちるので、ほとんど広がらず、また、Edvotekもなぜか全く宣伝しなくなりました。彼に何度聞いてもその点だけは答えないので、どうも、問題が起きたのかな?今でも買えますが、今のタイプはエチブロ面のプラスティックシートの接着が妙に強い。察するに、FDAなどから剥がすときにエチブロが舞い散るリスクを指摘されたのかもしれません。
それでエチブロ代替品を調べてて、ちょうどニッポンジーンから ミドリグリーンアドバンスという試薬のキャンペーンがあったので、注文メールを代理店に送った後で、下のPDFを見つけて、すぐに取り消しました。それがこのpaper。
Comparison of Nucleic Acid Gel Stains Cell permeability, safety, and sensitivity of ethidium bromide alternatives
これは各社極秘にしてきたDNA染色試薬の組成をBiotiumが分析したもの。Midori Green Avance も調べられて、この試薬は、なんとアクリジンオレンジとDAPIの混液である事が暴かれてます。ニッポンジーンのサイトを見ると、安全なエチブロ代替品というように書いてありますが。。。アクリジンオレンジもDAPIも単体で買えば遙かに安いというのはともかくも、アクリジンオレンジの変異原性はよく知られているし、DAPIは組織切片・培養細胞の核を染めるのに良く使う試薬で、細胞への透過性もあるので、それなりに気を遣います。ニッポンジーンというと、現在は富士フィルムの傘下に入ったとはいえ、試薬メーカーの大御所、WAKOの関連企業。
このpdfでは他に、似たようなもの、アクリジンオレンジ+DAPIもあるし、DAPIそのもののところもあれば、また、PIというDAPIと同じように良く使う核染色試薬も堂々と別の名前で、元化合物よりも遙かに高い値段で売られてます。PIは、DAPIよりほとんど細胞内に浸透しない分、ましなのでしょうか。いずれにしても、ひどい商売。
エチブロ代替品としておそらく一番広く使われているSYBR SafeはThiazole orange誘導体だそうです。この情報は、どうも、2012年に
1 H and 13 C NMR Assignments for the Cyanine Dyes SYBR Safe and Thiazole Orange
という論文で、JOCに報告されたのが最初らしい。しかし、先のBiotumのpdfでは、この化合物は、DAPIと同じように細胞膜透過性があり、この「安全性」を証明するほ乳類細胞での変異原性試験では実際に使う濃度よりもずっと低い濃度をつかっていたということも暴かれてます。ほんとなら、ほぼ詐欺。
この試薬、今はThermoFisherで売られていて、Thermoといえばどこでも吸収合併しまくってる試薬業界の最大手で、SYBRシリーズはエチブロの代替試薬として、ほぼ主流になっているようです。この業界は、こんな悪質なことがまかり通る世界なの? 確かに、研究試薬は、食品でも医薬品でもなく、規制が緩いので、メーカーはそれにつけこんでるのでしょうか。確かに、がんになっても関連性が証明できないから、訴えられるわけもないし、そもそもこれを使ってる人は食品・医薬品業界にくらべて圧倒的に少ない。
ただ、この論文では、同時に、Biotiumが作ったGelRedとGelGreenの優位性、つまり細胞膜透過性が無く、ほんとうに変異原性がないこと、を証明するためのものなので、微妙なところもあるのですが、こちらにしてみれば、手前味噌でかまわないし、貴重な情報です。だけど、GelRedの組成がなんなのかは書いてないというオチがついてますが、これを機に、他社もGelRedの組成を調べて欲しいもの。でもここまで言ってるからには、安全性は大丈夫でしょう。
----
追記 GelRedは感度が高く、一般ゴミに出せるくらい安全性が高いということなので、ラボではこちらに切り替えようとしています。泳動後すぐに見れるので、昔のエチブロ入りのゲルで流してたときみたい。エチブロより高感度ですが。ただ、ネックは、DNAラダーが、あんまり美しくないこと。強く結合しすぎるからか。特に高分子量がうまく分離しません。さらに、移動度がLadderに比べて早い。なぜ?それで何か手はないかと調べると、本家のサイトでは、DNAの量を減らせ、とのこと。まあ、そうでしょうが、これはたいして役立たずなので、他を探しまくったところ、以下の改良法を発見。
http://bitesizebio.com/25078/faster-even-cooler-dna-gels/
まだ試してないですが、ナトリウムの代わりにリチウムを使い、酢酸イオンにホウ酸イオンを加えたバッファー、LABにするというアイデア、これはよさそうだ。
さらに追記
上記のLABバッファーは秀逸でした。こちらに切り替えました。ただそれでもDNA ladderの3K以上が団子になりがちなので、量をぎりぎりまで減らすことと試料と同じsample bufferを同量添加することで、ほぼきれいに分離できるようになり、また、サンプルの移動度の異常さもなくなりました。これで手間が減り、エチブロよりもかなり高感度になり、なにより安全になりました。Biotium、えらい。
もうちょっと追記
ただのような試薬に別の名前をつけてあたかも特に開発したようなものとして高く売る、というのは、どの業界でもある事で、よくいわれるのが ブロッティングなどの増感に使うCanGetSignalという試薬。これはカゼインに4%くらいのPEG6000が入ったもので原価はすごく安いですが、このラベルの貼られた瓶に入れられると一万円以上します。だけど、PEG6000の濃度を振って自分で作ればもっと至適なシグナル増幅ができます。こういうのは多いですが、商売はそういうもので、試薬自体は無毒だから問題はなし。こういう情報は特許として公開されていて調べればすぐにわかることです。ミドリグリーンの悪質さとは訳が違います。
あまりにアクセスが多いのでひとこと追加
DAPIは細胞膜透過性があると書きましたが、細胞膜をたとえばヘキスト333342ほどスカスカ通過して核内DNAを染めるわけではありません。 かなり遅い。だけど、分子構造からわかるように膜に親和性があり、ゆっくりと浸透します。アミノ基があるだけなので。細胞毒性はあるけど、genotoxicityや変異原性はないという報告はあります。ただWikiによれば、mutagenとこの化合物の製造過程では表記されているそうです。
もっとアクセスが増えてるのでさらに調べて追記
これを書いてから2年近くが過ぎようとしてます。Biotumからの追加情報はないかと見たところ、CCR Title 22で水溶性で無毒性廃棄物であることが認証されたとの新たなpdfの中に、細胞内には侵入しないというデータの他に、Amesテストの詳しい結果が出てました。エチブロではもちろん高い変異原性がありますが、代謝産物でもGelRed GelGreeenは相当高濃度でも無害で、SYBR Greenはなぜか低濃度の一定の範囲においてエチブロよりも高い変異原性が見られてます。叩きますねえ。
うちのラボではずっと以前から、紙にエチブロがしみこませてあるエチブロシートを使ってました。これは紙にエチブロがしみこんでいるのでゲルの上に乗せればよく、エチブロ溶液はつかわず、あとはゲルと一緒にまるめてぽいできるので安全。これはEdvotekというアメリカのメーカーが主に実習用にと開発したもので、そのCOEとやりとりしていたこともありました。日本でこれをひろめようと、コスモバイオの人もやってきて協議したのですが、どうしてもゲルの上に置いて数分待たないといけないし、ゲルの中にエチブロを入れるという、昔は一般的だったやり方より感度が落ちるので、ほとんど広がらず、また、Edvotekもなぜか全く宣伝しなくなりました。彼に何度聞いてもその点だけは答えないので、どうも、問題が起きたのかな?今でも買えますが、今のタイプはエチブロ面のプラスティックシートの接着が妙に強い。察するに、FDAなどから剥がすときにエチブロが舞い散るリスクを指摘されたのかもしれません。
それでエチブロ代替品を調べてて、ちょうどニッポンジーンから ミドリグリーンアドバンスという試薬のキャンペーンがあったので、注文メールを代理店に送った後で、下のPDFを見つけて、すぐに取り消しました。それがこのpaper。
Comparison of Nucleic Acid Gel Stains Cell permeability, safety, and sensitivity of ethidium bromide alternatives
これは各社極秘にしてきたDNA染色試薬の組成をBiotiumが分析したもの。Midori Green Avance も調べられて、この試薬は、なんとアクリジンオレンジとDAPIの混液である事が暴かれてます。ニッポンジーンのサイトを見ると、安全なエチブロ代替品というように書いてありますが。。。アクリジンオレンジもDAPIも単体で買えば遙かに安いというのはともかくも、アクリジンオレンジの変異原性はよく知られているし、DAPIは組織切片・培養細胞の核を染めるのに良く使う試薬で、細胞への透過性もあるので、それなりに気を遣います。ニッポンジーンというと、現在は富士フィルムの傘下に入ったとはいえ、試薬メーカーの大御所、WAKOの関連企業。
このpdfでは他に、似たようなもの、アクリジンオレンジ+DAPIもあるし、DAPIそのもののところもあれば、また、PIというDAPIと同じように良く使う核染色試薬も堂々と別の名前で、元化合物よりも遙かに高い値段で売られてます。PIは、DAPIよりほとんど細胞内に浸透しない分、ましなのでしょうか。いずれにしても、ひどい商売。
エチブロ代替品としておそらく一番広く使われているSYBR SafeはThiazole orange誘導体だそうです。この情報は、どうも、2012年に
1 H and 13 C NMR Assignments for the Cyanine Dyes SYBR Safe and Thiazole Orange
という論文で、JOCに報告されたのが最初らしい。しかし、先のBiotumのpdfでは、この化合物は、DAPIと同じように細胞膜透過性があり、この「安全性」を証明するほ乳類細胞での変異原性試験では実際に使う濃度よりもずっと低い濃度をつかっていたということも暴かれてます。ほんとなら、ほぼ詐欺。
この試薬、今はThermoFisherで売られていて、Thermoといえばどこでも吸収合併しまくってる試薬業界の最大手で、SYBRシリーズはエチブロの代替試薬として、ほぼ主流になっているようです。この業界は、こんな悪質なことがまかり通る世界なの? 確かに、研究試薬は、食品でも医薬品でもなく、規制が緩いので、メーカーはそれにつけこんでるのでしょうか。確かに、がんになっても関連性が証明できないから、訴えられるわけもないし、そもそもこれを使ってる人は食品・医薬品業界にくらべて圧倒的に少ない。
ただ、この論文では、同時に、Biotiumが作ったGelRedとGelGreenの優位性、つまり細胞膜透過性が無く、ほんとうに変異原性がないこと、を証明するためのものなので、微妙なところもあるのですが、こちらにしてみれば、手前味噌でかまわないし、貴重な情報です。だけど、GelRedの組成がなんなのかは書いてないというオチがついてますが、これを機に、他社もGelRedの組成を調べて欲しいもの。でもここまで言ってるからには、安全性は大丈夫でしょう。
----
追記 GelRedは感度が高く、一般ゴミに出せるくらい安全性が高いということなので、ラボではこちらに切り替えようとしています。泳動後すぐに見れるので、昔のエチブロ入りのゲルで流してたときみたい。エチブロより高感度ですが。ただ、ネックは、DNAラダーが、あんまり美しくないこと。強く結合しすぎるからか。特に高分子量がうまく分離しません。さらに、移動度がLadderに比べて早い。なぜ?それで何か手はないかと調べると、本家のサイトでは、DNAの量を減らせ、とのこと。まあ、そうでしょうが、これはたいして役立たずなので、他を探しまくったところ、以下の改良法を発見。
http://bitesizebio.com/25078/faster-even-cooler-dna-gels/
まだ試してないですが、ナトリウムの代わりにリチウムを使い、酢酸イオンにホウ酸イオンを加えたバッファー、LABにするというアイデア、これはよさそうだ。
さらに追記
上記のLABバッファーは秀逸でした。こちらに切り替えました。ただそれでもDNA ladderの3K以上が団子になりがちなので、量をぎりぎりまで減らすことと試料と同じsample bufferを同量添加することで、ほぼきれいに分離できるようになり、また、サンプルの移動度の異常さもなくなりました。これで手間が減り、エチブロよりもかなり高感度になり、なにより安全になりました。Biotium、えらい。
もうちょっと追記
ただのような試薬に別の名前をつけてあたかも特に開発したようなものとして高く売る、というのは、どの業界でもある事で、よくいわれるのが ブロッティングなどの増感に使うCanGetSignalという試薬。これはカゼインに4%くらいのPEG6000が入ったもので原価はすごく安いですが、このラベルの貼られた瓶に入れられると一万円以上します。だけど、PEG6000の濃度を振って自分で作ればもっと至適なシグナル増幅ができます。こういうのは多いですが、商売はそういうもので、試薬自体は無毒だから問題はなし。こういう情報は特許として公開されていて調べればすぐにわかることです。ミドリグリーンの悪質さとは訳が違います。
あまりにアクセスが多いのでひとこと追加
DAPIは細胞膜透過性があると書きましたが、細胞膜をたとえばヘキスト333342ほどスカスカ通過して核内DNAを染めるわけではありません。 かなり遅い。だけど、分子構造からわかるように膜に親和性があり、ゆっくりと浸透します。アミノ基があるだけなので。細胞毒性はあるけど、genotoxicityや変異原性はないという報告はあります。ただWikiによれば、mutagenとこの化合物の製造過程では表記されているそうです。
もっとアクセスが増えてるのでさらに調べて追記
これを書いてから2年近くが過ぎようとしてます。Biotumからの追加情報はないかと見たところ、CCR Title 22で水溶性で無毒性廃棄物であることが認証されたとの新たなpdfの中に、細胞内には侵入しないというデータの他に、Amesテストの詳しい結果が出てました。エチブロではもちろん高い変異原性がありますが、代謝産物でもGelRed GelGreeenは相当高濃度でも無害で、SYBR Greenはなぜか低濃度の一定の範囲においてエチブロよりも高い変異原性が見られてます。叩きますねえ。
さらに追記240930 GelGreenへ
NIPPONgeneticsによるとMidoriGreenはアクリジンオレンジとDAPIの混合液ではない、とのこと。確かに、吸収スペクトルを調べると、よく似てますが、ちょっとずれます。たぶん、これらの誘導体か、混ぜてるか、のようです。
ともかく、これを使うメリットは、~400nmくらいのLED照明でもUV励起でも、ゲルに加えて泳動した際に高分子量領域の分離がGelRedに比べていいことですが、GelGreenという、GelRedのあとに出た色素を使うと、圧倒的にGelGreenのほうが高感度で、というかずっと明るく、また、希釈も10万倍で十分で(Biotiumは一万倍希釈でといってますが、これは謎)、1/2TBE中で泳動すると、分離能はMidoriGreenと遜色なく、高分子領域でも良好。これなら価格面でもエチブロ溶液よりも安い。100uLのトライアルサイズので、10Lのゲルが作れます。
安全性も代謝物存在下での変異原性試験では、濃いGelRed溶液では、ほんのちょっとだけ水よりも高い変異原性を持つのに対して、GelGreenは濃い溶液でも、水と同レベルというデータが出てます。またGelGreenもGelRed同様に細胞膜を透過しません。これは重要。ただし、GelGreenはほぼほぼLED照明専用で、UV照明ではみえません。GelRedとはそういう使い分けのようです。
私が宣伝するメリットもないのですが、ともかく他の色素とは比較になりません。GelGreenに切り替えました。
2017年5月11日木曜日
「ユキの日記」
本を読むのは寝る前のわずかな時間。あんまり面白いとそれが寝不足になってしまい、その加減が微妙。騎士団長のあとは、火星の人、久々のSFでした。SFというより、火星に降り立った際に、いかにも起こりそうなほんのちょっとしたトラブル。それにどう対処できるかを、かなり科学的に正しく(ふと思ったのだけど、politically correctとは良くアメリカ人が言うけど、scientifically correctというのか)検討して、火星で生き伸びるにはどうすればいいか、について書かれた、良きアメリカ人の奮闘の物語。久々の一気読みSF。
おかげで寝不足。さてと、次に読む本を物色してたとき、「ユキの日記」に目がとまりました。これは、心理学者の笠原嘉が編集した、若くして亡くなった女性が21歳の分裂症(いまでいう統合失調症)発症時までつけていた60冊の日記。最後の担当医だった彼に、役に立てばとご家族が持ってこられたものだそうです。この本、いつだったか、東京の高架下の近くにあった小さな古本屋で見つけて読みもせずそのまま本棚に置いてたのを、去年の暮れにスキャンしてPDFにしてaura oneの中にいれてさらに眠ってました。うしろのほうをぱらぱら読んで驚きました。
心理学の本、若い頃、よく読んでました。上智大の教授だった霜山徳爾がお気に入りで随分買いあさりました。笠原嘉の「現存在分析」もそんな頃、天神コアにあった紀伊國屋で見つけた本の一つ。今頃知りましたが、後書きによると、彼は名古屋大の先生だったらしい。この本、何度も読みました。
こういう心の奥底に降りていく作業、好きというよりは、その頃生きていく上で必須でした。若い頃、嵐のような、ぴりぴりした毎日の中、そうやって心の根元までおりてパッチをあてられたのは、これらのおかげかもしれない。そういえば、騎士団長のクライマックス、メタファーの世界に降りていって暗い谷底をさまよい歩くさまは、その作業に似てる。
ユキの日記、驚くほど詳細な心の記録です。ひどい喘息に生涯悩まされ、健康な青春は夢でしかなかった女性。文字を覚えて文章を綴れるようになる8歳から、心が成長してしっかりしたとても豊かな表現を獲得するようになる15歳あたり、そして次第に病んでいき、逃れることができなくなっていくまでの格闘の記録です。そして、そのあふれるほどの才能が実に悲しい。もしうまく世界と折り合いをつけることができていたならば。
ユキのその頃の詩から、
「春は来るまい、
花はもう再び咲くまい、
碧い空が頭上高くひろがり
そよ風吹く緑の芝の上に
おどる陽ざしを見ることはあるまい。
心よ つぶやくな
あせるな、あこがれるな、
・・・」
何よりも美しいのはHさんに恋心を抱いていた頃の記録。彼女の、短く薄幸としかいいようのない人生の中で、もしかしたら一番輝いていたときなのかもしれない。Hさんのちょっとした仕草、言葉のやりとりに喜び、涙し、憎み。だけど、彼は修道院に入ってしまって遠い存在になり、彼の名前はいつしか消えます。一度、彼女が修道院に行ったときにも会うことすら許されない。彼女の恋は実ることなく、癒えることなく、そうするうちに心が次第に壊れていきます。
だけど、その頃の彼女の日記には、破綻しつつも、はっとさせられるものがあります。
「孤独になれば私の病気はいえる。そして今、私は孤独になることができる。私があるから・・・。内省してここに私があると思うことができる。この私がなかったのではないか。 そしてこの今という時が。われを忘れて考えにふけっていることはできても、こうして一人で自分にはなすことはできなかった。
私はいえたのだ。精神分裂症から。私の病気でさえなかった。私がなかった・・。まわりもみわたしても閉ざされた部屋の中にいるような心地がした。さびしいという哀しさでさえなく、頼りなかった。私さえなくて頼りなかった。何もかも過去の遺産だった。過去にとらわれていた。自由がなかった。おそろしいことだった。自由にたのしんでいる。テニスを見ている女の人を後からみたときの苦しかったこと・・・ うらやむ、本当にうらやんだ。健康なすべての人を。みな自分があった。自分のたのしみが・・・。
私は今ここに、私がいる。しずかに・・・ 何も持たず、希望も能力も友もなく、ここに・・・ しかししずかに。このおだやかな感じこそ私だったのではないか?何もなくても待っている私、責任をとり誠をつくす心の私。私は部屋を見回す。そして部屋があるのではなく、私があるのを感じる。真にここの主として。とざされてとらわれているのでない。」
「大空がある。星がきらめく、数えきれないほど・・・。そしてこれを見る私、それはこの大空のきらめきに答える私だ。大空を感じる私ではない。感じるということは何ものでもない。ここに私がいる。私はしずかに自分を感じる。この私、それはただ私のためにだけあるのだ。そして私はこれを大切にしなくてはならないのだ。」
この巨大な、私。どうやって取り扱えばいいのか。若い頃の苦しみはいつもこれ。だけどたいていはいつのまにか折り合いをつけて、つけざるをえなくなるか、誰かなにかが、それこそ騎士団長のように手助けをしてくれるかして切り抜けて、気がついたらそんなことがあったのも忘れて年をとっていきます。だけど、彼女の場合、そこから出ることができなかった。防具がなかった。素手で闘い、もがく彼女に、いいんだよ、とは誰も云ってくれなかった。
精神病理学のおそらく格好の材料なのかもしれません。でもなにより、その絶望的な格闘は、胸を打ちます。
おかげで寝不足。さてと、次に読む本を物色してたとき、「ユキの日記」に目がとまりました。これは、心理学者の笠原嘉が編集した、若くして亡くなった女性が21歳の分裂症(いまでいう統合失調症)発症時までつけていた60冊の日記。最後の担当医だった彼に、役に立てばとご家族が持ってこられたものだそうです。この本、いつだったか、東京の高架下の近くにあった小さな古本屋で見つけて読みもせずそのまま本棚に置いてたのを、去年の暮れにスキャンしてPDFにしてaura oneの中にいれてさらに眠ってました。うしろのほうをぱらぱら読んで驚きました。
心理学の本、若い頃、よく読んでました。上智大の教授だった霜山徳爾がお気に入りで随分買いあさりました。笠原嘉の「現存在分析」もそんな頃、天神コアにあった紀伊國屋で見つけた本の一つ。今頃知りましたが、後書きによると、彼は名古屋大の先生だったらしい。この本、何度も読みました。
こういう心の奥底に降りていく作業、好きというよりは、その頃生きていく上で必須でした。若い頃、嵐のような、ぴりぴりした毎日の中、そうやって心の根元までおりてパッチをあてられたのは、これらのおかげかもしれない。そういえば、騎士団長のクライマックス、メタファーの世界に降りていって暗い谷底をさまよい歩くさまは、その作業に似てる。
ユキの日記、驚くほど詳細な心の記録です。ひどい喘息に生涯悩まされ、健康な青春は夢でしかなかった女性。文字を覚えて文章を綴れるようになる8歳から、心が成長してしっかりしたとても豊かな表現を獲得するようになる15歳あたり、そして次第に病んでいき、逃れることができなくなっていくまでの格闘の記録です。そして、そのあふれるほどの才能が実に悲しい。もしうまく世界と折り合いをつけることができていたならば。
ユキのその頃の詩から、
「春は来るまい、
花はもう再び咲くまい、
碧い空が頭上高くひろがり
そよ風吹く緑の芝の上に
おどる陽ざしを見ることはあるまい。
心よ つぶやくな
あせるな、あこがれるな、
・・・」
何よりも美しいのはHさんに恋心を抱いていた頃の記録。彼女の、短く薄幸としかいいようのない人生の中で、もしかしたら一番輝いていたときなのかもしれない。Hさんのちょっとした仕草、言葉のやりとりに喜び、涙し、憎み。だけど、彼は修道院に入ってしまって遠い存在になり、彼の名前はいつしか消えます。一度、彼女が修道院に行ったときにも会うことすら許されない。彼女の恋は実ることなく、癒えることなく、そうするうちに心が次第に壊れていきます。
だけど、その頃の彼女の日記には、破綻しつつも、はっとさせられるものがあります。
「孤独になれば私の病気はいえる。そして今、私は孤独になることができる。私があるから・・・。内省してここに私があると思うことができる。この私がなかったのではないか。 そしてこの今という時が。われを忘れて考えにふけっていることはできても、こうして一人で自分にはなすことはできなかった。
私はいえたのだ。精神分裂症から。私の病気でさえなかった。私がなかった・・。まわりもみわたしても閉ざされた部屋の中にいるような心地がした。さびしいという哀しさでさえなく、頼りなかった。私さえなくて頼りなかった。何もかも過去の遺産だった。過去にとらわれていた。自由がなかった。おそろしいことだった。自由にたのしんでいる。テニスを見ている女の人を後からみたときの苦しかったこと・・・ うらやむ、本当にうらやんだ。健康なすべての人を。みな自分があった。自分のたのしみが・・・。
私は今ここに、私がいる。しずかに・・・ 何も持たず、希望も能力も友もなく、ここに・・・ しかししずかに。このおだやかな感じこそ私だったのではないか?何もなくても待っている私、責任をとり誠をつくす心の私。私は部屋を見回す。そして部屋があるのではなく、私があるのを感じる。真にここの主として。とざされてとらわれているのでない。」
「大空がある。星がきらめく、数えきれないほど・・・。そしてこれを見る私、それはこの大空のきらめきに答える私だ。大空を感じる私ではない。感じるということは何ものでもない。ここに私がいる。私はしずかに自分を感じる。この私、それはただ私のためにだけあるのだ。そして私はこれを大切にしなくてはならないのだ。」
この巨大な、私。どうやって取り扱えばいいのか。若い頃の苦しみはいつもこれ。だけどたいていはいつのまにか折り合いをつけて、つけざるをえなくなるか、誰かなにかが、それこそ騎士団長のように手助けをしてくれるかして切り抜けて、気がついたらそんなことがあったのも忘れて年をとっていきます。だけど、彼女の場合、そこから出ることができなかった。防具がなかった。素手で闘い、もがく彼女に、いいんだよ、とは誰も云ってくれなかった。
精神病理学のおそらく格好の材料なのかもしれません。でもなにより、その絶望的な格闘は、胸を打ちます。
2017年5月2日火曜日
Outlookのプレビュー画面が出ない
ときどきOutlookがおかしくなることがあります。この前は、メールのURLをクリックしてもブラウザに飛ばない、というトラブル。以前書きました。
今度は、プレビュー画面が出てこないという、はじめて遭遇する謎の症状。表示>閲覧で右や下を選べば、メールのプレビューができるはずで、他の設定は見つからず、あれやこれやとやってみて、ふと、ひょっとしてこれも、Windows10の更新の仕業では、と再び、netsh winsock resetをコマンドプロンプト(管理者権限)で打ち込んで、再起動すると元通りに表示されるようになりました。
どうやら、Windows10が勝手に更新するときに、Windowsのなにかの設定をやり忘れてしまうとか、そんな感じらしい。他のソフトで影響を受けることはないようですが、なぜかOutlookには来ます。いつ更新したかさえわかれば見当もつくのに、何の通知もなしにされるのでいい迷惑。これを外して、更新時期を選択できるようなソフトをどこかで見かけたのだけど、どこだったのか。

というのを書こうと思ったのでなく、予定してたのは、ScanSnapのローラー交換の話。このiX500、買ったときはここまで強力なマシンとは想像もしてませんでした。すでに、たぶん1000冊くらいは本を自炊したので、文庫からでかい教科書までたぶん20万枚くらいの様々なサイズの紙をスキャンしたことになるのかな。そろそろゴムローラーはすり減る頃と、ローラーを交換。
上は、紙を吸い込む方のローラーで(下が古い方)、左がビックローラーと書いてあった、紙を送る方のローラー(古い方は左側)。さすがに随分すり減ってます。
こんなのに8000円とはちょっと高い気がしないでもないですが、ここまでたいしたトラブルなしに本をすいすいスキャンしてくれたことに感謝して、迷わずに投資(というほどかというのはさておき)しました。
もともとトラブルもなかったので、替えても何も変化無しですが、本の裁断が悪くて、2ページがちょっとくっついたところをなんなく引きちぎってくれたのは、このおかげかな。これだけ使い込んでも、他には何の劣化も無し。この富士通の技術はまったくすごいものがあります。これとChainLP無しには蔵書の電子化はできませんでした。 ありがたや。
今度は、プレビュー画面が出てこないという、はじめて遭遇する謎の症状。表示>閲覧で右や下を選べば、メールのプレビューができるはずで、他の設定は見つからず、あれやこれやとやってみて、ふと、ひょっとしてこれも、Windows10の更新の仕業では、と再び、netsh winsock resetをコマンドプロンプト(管理者権限)で打ち込んで、再起動すると元通りに表示されるようになりました。
どうやら、Windows10が勝手に更新するときに、Windowsのなにかの設定をやり忘れてしまうとか、そんな感じらしい。他のソフトで影響を受けることはないようですが、なぜかOutlookには来ます。いつ更新したかさえわかれば見当もつくのに、何の通知もなしにされるのでいい迷惑。これを外して、更新時期を選択できるようなソフトをどこかで見かけたのだけど、どこだったのか。
というのを書こうと思ったのでなく、予定してたのは、ScanSnapのローラー交換の話。このiX500、買ったときはここまで強力なマシンとは想像もしてませんでした。すでに、たぶん1000冊くらいは本を自炊したので、文庫からでかい教科書までたぶん20万枚くらいの様々なサイズの紙をスキャンしたことになるのかな。そろそろゴムローラーはすり減る頃と、ローラーを交換。
上は、紙を吸い込む方のローラーで(下が古い方)、左がビックローラーと書いてあった、紙を送る方のローラー(古い方は左側)。さすがに随分すり減ってます。
こんなのに8000円とはちょっと高い気がしないでもないですが、ここまでたいしたトラブルなしに本をすいすいスキャンしてくれたことに感謝して、迷わずに投資(というほどかというのはさておき)しました。
もともとトラブルもなかったので、替えても何も変化無しですが、本の裁断が悪くて、2ページがちょっとくっついたところをなんなく引きちぎってくれたのは、このおかげかな。これだけ使い込んでも、他には何の劣化も無し。この富士通の技術はまったくすごいものがあります。これとChainLP無しには蔵書の電子化はできませんでした。 ありがたや。
2017年4月23日日曜日
ChainLPで2段組本を2ページ分離表示 追記260630
そういう訳で「家の馬鹿息子1」が早くも到着。実に700ページを超える大著です。長らく絶版で、高値がついてますが、全4冊のうち、1だけが1800円程度で出ていて、迷わず購入。2-4は1万近くします。サルトルの本を中古で買うと、最初の2ー3ページくらいに(だけ)書き込みがあるものですが、これはほぼ新品の状態でした。さすがにかなり古びてはいますが、スキャンするので、全く問題なし。いったい、この本はどこにあったのだろう?ともかく、早速ScanSnapしましたが(半分に分割しないと裁断すらできなかったというのはともかく)、人文書院の彼の他の本と同様、これも2段組。老眼にはなかなか厳しい。
こういうとき、8インチ弱のaura oneでなく、新しく出るソニーの13インチのリーダーが脳裏を横切りますが、今では2段組の本はあまりないので(ハヤカワミステリといくつかの全集本くらいか)、そのために買うのもばからしい。
2段組を上下に分けることができれば、aura oneなり auraH2Oを横にして読めばいいだけで、実際、数年前に、一冊だけ、ハヤカワミステリをそうやって自炊したことがあったのでできるはず。どうやったのか、その設定を記録してなかったので、今回、再び、2段組の1ページを2ページに分割表示するように設定を試行錯誤。結局、2つの設定だけでした。「回転」を時計回りに、「縦横比」をチェックを入れて「半分個」に。普通は余白をぎりぎりまで削るために入れるトリミングの設定は、はずしたほうが、中央にズレすぎるのを防ぐことができるので0のまま。逆にそのサイズ設定を毎回する必要もないし。またページ補正を単純横優先にするのもポイント。
今度は、この設定を保存しておきました。これだけでどんな小さな2段組も楽に読めるようになりました。もっともページめくりがやたら頻繁、文字がでかすぎ、というのは当たり前にしても、ともかく読みやすくなります。
このChainLP、これがあるから自炊ができているわけですが、なんて優れたソフトなんだろうと改めて感心。この設定では、1ページが2ページになるわけですが、この設定にすると自動的に1、2の選択タブが↓のようにパネルの下に出て、分割して2ページに表示できます。
このソフトを作ってくれた人には、ただただ感謝。完成度が高く、便利で、Windows10になっても安定です。日本語ができないとこれが使えず、あとはCalibreくらいしかないので、自炊の範囲が限られるでしょう。有料のはあるようですが。だから海外では、自炊はあまり聞いたことがなく、電子本が少なくとも日本よりは売れてるのかな。だけど、電子本は、ただ本をスキャンしただけのもあり、解像度も低いのでAmazonのレビューを見ると、細かい部分が見れないと怒りのコメントも珍しくありません。技術自体はそんなに難しいはずもないのに。
こういうとき、8インチ弱のaura oneでなく、新しく出るソニーの13インチのリーダーが脳裏を横切りますが、今では2段組の本はあまりないので(ハヤカワミステリといくつかの全集本くらいか)、そのために買うのもばからしい。
2段組を上下に分けることができれば、aura oneなり auraH2Oを横にして読めばいいだけで、実際、数年前に、一冊だけ、ハヤカワミステリをそうやって自炊したことがあったのでできるはず。どうやったのか、その設定を記録してなかったので、今回、再び、2段組の1ページを2ページに分割表示するように設定を試行錯誤。結局、2つの設定だけでした。「回転」を時計回りに、「縦横比」をチェックを入れて「半分個」に。普通は余白をぎりぎりまで削るために入れるトリミングの設定は、はずしたほうが、中央にズレすぎるのを防ぐことができるので0のまま。逆にそのサイズ設定を毎回する必要もないし。またページ補正を単純横優先にするのもポイント。
今度は、この設定を保存しておきました。これだけでどんな小さな2段組も楽に読めるようになりました。もっともページめくりがやたら頻繁、文字がでかすぎ、というのは当たり前にしても、ともかく読みやすくなります。
このChainLP、これがあるから自炊ができているわけですが、なんて優れたソフトなんだろうと改めて感心。この設定では、1ページが2ページになるわけですが、この設定にすると自動的に1、2の選択タブが↓のようにパネルの下に出て、分割して2ページに表示できます。
このソフトを作ってくれた人には、ただただ感謝。完成度が高く、便利で、Windows10になっても安定です。日本語ができないとこれが使えず、あとはCalibreくらいしかないので、自炊の範囲が限られるでしょう。有料のはあるようですが。だから海外では、自炊はあまり聞いたことがなく、電子本が少なくとも日本よりは売れてるのかな。だけど、電子本は、ただ本をスキャンしただけのもあり、解像度も低いのでAmazonのレビューを見ると、細かい部分が見れないと怒りのコメントも珍しくありません。技術自体はそんなに難しいはずもないのに。
5年経っての追記
この記事、今でも多くの方が検索してみられてますので、最近気がついたことを一つ。上のやり方でやると、ページの分け位置がずれて、片方のページの上か下が切れてしまうことがあります。中心がずれてるわけですが、この場合、ChainLPのトリミングでもやった限りでは解決できませんでした。
仕方ないのでこの場合は、ACROBAT等のpdfの編集ができるソフトでまず文字領域だけを表示するようトリミングをして、これを保存の時に画像のみを連番の.pngファイルとして保存し、zipに圧縮します。次にこのフォルダをChainLPで開くときに、dirとして開くと、トリムさせた画像の部分だけが100%として表示されるので、これを上の方法で2つにわければ均等に分けることができて、奇数と偶数ページでどちらかが切れることが解消されます。
もちろん、このときに適当に余白を上下均等に入れれば、文字がでかすぎる感も減らせますが、老眼的には特に問題ないかな。見栄張っても仕方ないし。
さらに時が経ち2023年の追記
いまだに多くの方が毎日来られてるのは、やはり自炊で電子リーダーのサイズが小さいということですね。koboさんでなくてもいいのだけど、どこか9インチのを出してくれればいいのだけど。 ともかく、この2段本のやり方はずれる場合の対処をこの前の追記に書きましたが、これはめんどくさい。こんなことしなくてもChainLPの設定でこれに対応できることに気がつきました。それは編集>トリミングを開いて、出てきたこのパネル、
これの右上の事後トリミングの中の左側(か右側)の数字と、下の余白の、事後トリミングと反対側の数字を設定すること。これで、2段の範囲が設定できるようです。それから、詳細設定>画像で1bitにしたほうが、サイズが半分になるし、読みやすく、見栄えも良くなるみたいです。2bitで今までやってきましたが、単にストレージを無駄に使ってました。全部入れ直し中という・・・ それにしても、改めて、このソフトのものすごさには感動します。
さらに時が経ち2026年の追記
本をスキャンしてページの画像を Koboに載せる方法を書いてきましたが、雰囲気はもういいから単に文が読みたいだけ、あるいは、古すぎて文字が読みにくい、全集本で、2段組どころか3段組、という場合も出てきました。そんなときには、もういっそOCRして文字だけにすればいい、とはいえ、日本語の縦書き文章、それも古くてコントラストの低いのをまともにOCRするのは、普通のソフトではまず使い物になりません。有料のでも。そんな中、出てきたのが国会図書館が開発した、AIを使ったOCRのNDROCR_CLI。Githubにあります。
この話も今のブログに書きました。 こちら。テキストにするスクリプトしか書いてませんが、AIをつかえば、Kobo用のkepub.epubに変換することもできます。ただ、Koboの本屋から買うものとは違って、本の画像の各行の文字数はそのままで、フォントサイズを小さくすると右側に空白が広がることになります。とはいっても、2段組であれば、断然見やすいサイズにはなります。
回りまわってepubなの?といわれそう。だけど、オプションが増えるのは悪いことではないかな。
2017年4月15日土曜日
騎士団長
随分時間をかけて騎士団長を読み終えました。おいしい料理はなくなるまでゆっくり食べたいもの、特に物語は終わるのが惜しくて、できるだけ引き延ばすのは、子どもの頃からの習慣。
子どもの頃、家があんまり豊かでなかったのかどうか、そんなに困ってた覚えもないけど(子どもにはわからない)、いつも本に飢えてました。でもたぶん、それは自分でいわなかったせい。どうも、そんな子どもだったようです。友達が持っていた物語の全集(何だったんだろう、あれは)をなによりうらやましく思ってました。その家では、大事に棚の中にしまって、貸してくれませんでした。ちょっとだけ見せてもらって、ページをめくったときのわくわく感、本棚に戻したときの悲しさはなんだか、妙に残りました。
彼の作品は大抵読んでますが、この物語、際だって面白かった。カテゴリー的には、世界の終わり、と同列なのかもしれませんが、内容としては格段と上。ノルウェイの森を思い出します。
本を読むのは寝る前しか時間がないわけですが、毎晩、騎士団長が出てくるのを楽しみにしてました。それも終わってしまった・・
人生のある時期に、ふと気がついたら騎士団長が椅子の上に座っている、そんなときはやってきます。いつもと変わらなく続くような日常の中でも、ある日、気がついたら、イデアと向き合い、メタファーの黄泉国を彷徨う、そんな、時間がかならず訪れます。
でもそれは、顔無しを見かけることもなく、2重メタファーへと流れる川にも、そもそもそんなものが流れていることすら気がつかない、そんな人生よりはずっといいのかもしれません。まりえの影を追って、その世界の裂け目に入り込むことで、我々はこの世界のことをもっと深く理解できる、のかもしれません。
彼の最高傑作。全く期待してなかっただけに、素晴らしい物語の力。
さて、次に何読むか・・ クルコフ?
子どもの頃、家があんまり豊かでなかったのかどうか、そんなに困ってた覚えもないけど(子どもにはわからない)、いつも本に飢えてました。でもたぶん、それは自分でいわなかったせい。どうも、そんな子どもだったようです。友達が持っていた物語の全集(何だったんだろう、あれは)をなによりうらやましく思ってました。その家では、大事に棚の中にしまって、貸してくれませんでした。ちょっとだけ見せてもらって、ページをめくったときのわくわく感、本棚に戻したときの悲しさはなんだか、妙に残りました。
彼の作品は大抵読んでますが、この物語、際だって面白かった。カテゴリー的には、世界の終わり、と同列なのかもしれませんが、内容としては格段と上。ノルウェイの森を思い出します。
本を読むのは寝る前しか時間がないわけですが、毎晩、騎士団長が出てくるのを楽しみにしてました。それも終わってしまった・・
人生のある時期に、ふと気がついたら騎士団長が椅子の上に座っている、そんなときはやってきます。いつもと変わらなく続くような日常の中でも、ある日、気がついたら、イデアと向き合い、メタファーの黄泉国を彷徨う、そんな、時間がかならず訪れます。
でもそれは、顔無しを見かけることもなく、2重メタファーへと流れる川にも、そもそもそんなものが流れていることすら気がつかない、そんな人生よりはずっといいのかもしれません。まりえの影を追って、その世界の裂け目に入り込むことで、我々はこの世界のことをもっと深く理解できる、のかもしれません。
彼の最高傑作。全く期待してなかっただけに、素晴らしい物語の力。
さて、次に何読むか・・ クルコフ?
2017年4月9日日曜日
DFP
学生時代、タンパク分解酵素の研究が最初の研究テーマだったので、その阻害剤のDFPという試薬を使うことになりしばらく実験してました。ある日、ベンチに顔を出した教授にどういう実験してるのときかれて、DFPですというと、ぞっとするような話を聞かされました。彼の友達(だったのか、その研究室員だったのか)がDFPを使って実験をしていたところ、その人が周りの人に、なんでこんなに暗いところにいるの、灯りつけようやと言い出したとか。昼間、普通に明るい研究室の中で。DFPを吸ってしまったらしく、視神経がやられてたという話でした。神経伝達の際に出るアセチルコリンの再利用を行う酵素アセチルコリンエステラーゼ(血液検査項目にも出てきます)と、当時やってたタンパク分解酵素は親戚で、DFPで反応できなくなります。タンパク分解酵素が少々つぶれてもあまり即死になることはないでしょうが、アセチルコリンエステラーゼは神経伝達が止まるのでやばい。
今なら研究室でそんなことしてたら大騒ぎです。揮発性の高い試薬なので、もちろん当時もドラフトチャンバーの中でしかその試薬は使いませんでしたが、そこまで危ないとは知らなかった。水に出会うとすぐに壊れるので、体内に入ったらすぐにつぶれるのかと思ってましたが、ぞっとしました。、もっとも、それがほんとの話なのか、あるいは教授が気をつけるようにと少々脚色して聞かせてくれたのか、いまとなってはわかりませんが。このDFPの構造を真ん中で2つに分けたら、サリンになります。サリンの方が小さい分、体内への浸透性も高いでしょう。
サリンを使ったオウム真理教のテロのとき、そういうこともあってニュースを聞いて、その危険性は肌身に感じました。実験室で使う量は、ごく微量、実際に加えるのはほんの数マイクロリットルですが、封印されてたガラスバイアルには1ccくらい入っています。普通のベンチで開けるのはもちろん厳禁。防毒マスクが必須です。そんなのが床の上にこぼれてたら、息を止めて全力で逃げ出さないといけません。
シリアの、たぶんサリンと言われている化学兵器の攻撃、それを浴びた子どもたちの映像をみて、そんな話を思い出しました。だから水をかけるのは正しい、でも、作用はほとんど数分で完了しています。失われた神経は元に戻りません。正視できるものではありませんでした。
これを受けたトランプ大統領の派手なミサイルの発射。支持率が低迷しているので、たぶん、やるだろうと思いましたが、ただ、プーチンと仲良しだったのはどうなったのだろう。そもそも、ロシアとシリアの関係、あまりわかりやすいものではありません。ロシアの後ろ盾さえなければ、現政権の暴挙は、あるいは存続自体もできないのではと、素人は思いますが。サリンへのお返しだけだと言っても、それで亡くなった兵士もいます。家族は許さないし。反アサド政権派の支援というより他国が自国に侵略したとみます。オバマさんが攻撃を行わなかったのはそのあとでアフガン、ベトナム化になるのを懸念してのことでした。他国に攻撃するのは、とても難しい。
ロシアが反政府派の拠点を攻撃したとのこと。やむことのない報復の繰り返しです。
今なら研究室でそんなことしてたら大騒ぎです。揮発性の高い試薬なので、もちろん当時もドラフトチャンバーの中でしかその試薬は使いませんでしたが、そこまで危ないとは知らなかった。水に出会うとすぐに壊れるので、体内に入ったらすぐにつぶれるのかと思ってましたが、ぞっとしました。、もっとも、それがほんとの話なのか、あるいは教授が気をつけるようにと少々脚色して聞かせてくれたのか、いまとなってはわかりませんが。このDFPの構造を真ん中で2つに分けたら、サリンになります。サリンの方が小さい分、体内への浸透性も高いでしょう。
サリンを使ったオウム真理教のテロのとき、そういうこともあってニュースを聞いて、その危険性は肌身に感じました。実験室で使う量は、ごく微量、実際に加えるのはほんの数マイクロリットルですが、封印されてたガラスバイアルには1ccくらい入っています。普通のベンチで開けるのはもちろん厳禁。防毒マスクが必須です。そんなのが床の上にこぼれてたら、息を止めて全力で逃げ出さないといけません。
シリアの、たぶんサリンと言われている化学兵器の攻撃、それを浴びた子どもたちの映像をみて、そんな話を思い出しました。だから水をかけるのは正しい、でも、作用はほとんど数分で完了しています。失われた神経は元に戻りません。正視できるものではありませんでした。
これを受けたトランプ大統領の派手なミサイルの発射。支持率が低迷しているので、たぶん、やるだろうと思いましたが、ただ、プーチンと仲良しだったのはどうなったのだろう。そもそも、ロシアとシリアの関係、あまりわかりやすいものではありません。ロシアの後ろ盾さえなければ、現政権の暴挙は、あるいは存続自体もできないのではと、素人は思いますが。サリンへのお返しだけだと言っても、それで亡くなった兵士もいます。家族は許さないし。反アサド政権派の支援というより他国が自国に侵略したとみます。オバマさんが攻撃を行わなかったのはそのあとでアフガン、ベトナム化になるのを懸念してのことでした。他国に攻撃するのは、とても難しい。
ロシアが反政府派の拠点を攻撃したとのこと。やむことのない報復の繰り返しです。
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