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2017年10月25日水曜日

ミルク・ティ

はじめてコンサートというものに行ったのは、この人めあて。中学校の頃、おおきな体育館(と長らく思ってましたが、何とか会館だったかもしれない)で行われたコンサート、フォークの有名人たちが一堂に会して、九州には滅多に来てくれないから、当然ながらの大行列。友達でそんな趣味の人はいなかったので、一人で長い行列を並んでました。

お目当ては遠藤賢司でした。なにより、ミルク・ティという曲。この歌、詞と旋律とギターが見事に調和したこの世界が好きで、ギターで良く弾いてました。若い頃にしか書けない曲、絶対に。

冬の長い陽が いっぱいの坂道で 
あなたとわたしは黙って 影をみてたわ

そんな、永遠に続きそうに思えた日々のこと。

不思議なくらい、実際にそのコンサートがどうだったかは覚えてないのですが、ともかくこの曲は歌ってくれなくて、がっかりしたことを覚えています。もとより、そんな曲じゃないわけで、今にして思えば。

20年くらい前からフォークソングを再び、とNHKが取り上げて以来、テレビでその演奏をはじめて見ることができました。でも、頭の中で実際に聞いていたのは、親父が無理して買ってくれた、カセットテープレコーダーで何度も何度も聞いていた、あの当時の彼の、きっとどこかのコンサートでのライブ。

つい最近まで演奏活動を続けておられたようですが、がんで亡くなられたそうです。最後まで演奏会の予定が入っておられたとか。

帰宅途中、車の中から、流れ星を見ました。ドライブレコーダーで捉えたのがこちら。30秒過ぎ、JRをくぐって地表に出た瞬間、画面中央上に、磐梯山の方に流れて消える星が写っています。ほんの一瞬のちいさな点、でもいつまでも残しておきたい。

2017年10月22日日曜日

素数に憑かれた人たち

女房にまだこれ読んでるの、と言われてしまったくらい、珍しく長い期間、読んでました。前回、素数の音楽、で素数の分布を知る事の奥深さに魅了され、次も、かなり前に買っておいたこの本を見つけ出し、つらつら見てみたところ、面白い。素数の音楽は、あくまで誰がどうしたという話で、不満な点は、数式がほとんどないこと。出版社は、どこでもこれに気を遣うらしく、数式は極力少なくするように一般書でいってるらしい。取っつきやすくはなっても、これではほんとのおもしろさはわからない。ζ関数くらいなら式の形はわかっても、そもそもいったいリーマン予想ってなに、という不満足感が残りました。

憑かれた人々、かなり前に出版されたこの本、題名とは裏腹に、絶対にリーマン予想の面白さをわからせてやる、という著者の情熱に圧倒されます。ものすごく勉強になりました。なぜeを(πi)乗したら-1に等しくなるのか、はじめてわかったなんて、はずかしくていえやしないにしても。無限級数展開で考えると、こんなに簡単なことなのか。さらに恥をしのんで言えば、そもそも、階乗は整数限定としか知らなかったので、0.5の階乗だとか、負の数の階乗、つまり階乗が連続関数になるとは、ちっとも知らなかった。ガンマ関数なんですね。

級数展開の奥深さ、計算の順番が異なると答えが変わってきたり、定義領域しだいでほかの関数に形を変える不思議に魅了されました。1/(1-x)が1+x+x^2+x^3+x^4+....に等しくなる、そんなはずもないけど、確かに式をいじるとそういう変形もできること、数式が同じならば同一と、素人は思ってしまいますが、それは違う、本質的なことはその奥にある、という、単なる式の変形でない、ほんとの意味の数学にちょっとは触ったような気がします。

この本では数式はたくさん出てますが、複素数にしても、所詮は級数展開なので、小学生でも計算できます。少ない展開数ならばどうなるかと、Originをつかって、いろいろとやってみてました。無限級数は無理ですが。ゼータ関数もcasioの計算サイトで見つけていろいろと調べてみましたが、あんまりうまく計算できず、残念。これは、数学の先生に聞くことにしよう。

そもそも数とは何なのか、全く一般向けでありながら、これほど数学のことを学んだ本は初めてです。これくらい大学でも教えましょう。

ただ、この本、題名が悪い。この内容はこれでは全く予想できなかった。現代もPrime obsessionなので、その通りではありますが、実にもったいない。


2017年10月15日日曜日

ChainLPの設定(aura one)

前回書いたブログから1年たって、ChainLPのaura one用の今の設定は以下の通り。中くらいの解像度に落ち着きました。






出力のところでは、毎回、zipに戻りますが、koboではcbzを選択。文字を最大限に表示させるために、編集>トリミングで、本ごとに余白をぎりぎりまで削ってます。

これまで142冊の本をaura one に入れました。これで3.97G、あと2.75G。300冊弱で一杯かな。十分でしょう。前使ってたAura H2Oはすっかり女房のものになってしまい、最近ではあきらめて彼女の本を入れてます。この設定も、解像度を変えるだけで、このソフトで設定をH2O用に登録しておけば簡単に切り替えられます。

それにしても、これだけ優れたソフトを作ってくれた、No.722さんに感謝です。ブログも終了していて、更新も随分前に終了したようですが、開けたままにしておいてくれてるので、今でも多くの方がダウンロードされてる模様。SEさんなのかな?Calibreというのオープンソフトが世界的には普及してるのでしょうけど、ChainLPの機能に比べると、遠く及びません。日本語のせい?cbzというフォーマットの特殊性?

そもそも、海外ではどうやって自炊本を読んでるんでしょうか?キンドルなどの電子本フォーマットでまにあってるとはとても思えないのですが。何冊か持ってますが。特に教科書など、図がひどい。よくもこれで問題にならないもの。

追記
出版社でマンガの編集をしてる人がたまたまやってきて話していたら、マンガは基本はモノクロ2階調だとか。てっきりグレースケールと思ってました。でも、マンガは基本、線画なので、言われてみれば当たり前なのか。線の太さで濃淡を出すのかな。それ以上の階調はモアレが出るので滅多にやらないといってましたが、それは印刷の時の話。ともかく、マンガならば、上の画像の設定の2bitでなく、1bitにすれば、サイズを半減できます。実際、文庫本でも、1bitにしても十分読めますし、言われないと気がつきません。ほんとは2bit、4階調も要らないかな。1bitにすると、600冊くらい入ることになります。それに動作が速くなるので、いいかもしれない。

追記
これを書いて、半年くらいした今、aura one の32G(実際には収納スペースは28G)バージョンを買った話は、18年3月のに書いていますが、2bitでChainLPしていたので、現在、700冊ほどで16Gくらいになりました。コレクションを使って下のように分類を一ページめいっぱいしましたが、各フォルダがあんまり増えると探すのが面倒になりそう。
これが限界か。村上春樹をこんなに持ってるとは思わなかった。ともあれ、これで書棚3つ分くらいになるからなあ。

ずっと後の追記 20/7
aura oneも一杯になり、Formaを買いました。これはコミックeditionとほぼ同じですがストレージは32G。入れ方はこれと同じです。こちらに書きました。
https://ketupa-peeri.blogspot.com/2020/07/kobo-forma.html


2017年10月13日金曜日

Sephadex

Sephadexはたぶん最初に学んだ実験素材。デキストランの架橋体で、スウェーデンの優れた高分子化学の研究から産まれたと聞きました。生化学では欠かせない素材です。今でも、分子生物学の実験で良く使ってます。あまり一般的な使用目的ではないとは思いますが、これを使うとクローニングが良くできます。

今回、ちょっと違ったイメージングの目的で、なかなか使えそうな素材が見つからなかったとき、ふとこれが使えるかもと思ってやってみると、これが正解でした。生化学の正しい使い方をしていたときは考えたこともなかったですが、これを顕微鏡で使ってみると、きれいな形をしています。ならばと、走査型電子顕微鏡でみてみると、こんな感じ。これは300倍、かわいらしい形で、G-50という良く使うタイプ。fineというサイズ、大体、20-80umとありますが、ほんとにそれくらい。

なかなかきれいです。1300倍ではその均質な網目が見えてます。

 この網の中をタンパクやDNAが入って、大きさによって移動する速さが異なることで大きいのと小さいのを分離できます。網目を3万倍で見たのがこちら。


 この襞の厚みは大体、200nmくらいでしょうか。分離できる分子量は30000以下、とされるので、2nmあたりがこの隙間を通れる限界ということでしょうか。ただ、この撮影、水を吸ってない状態で見てるので、水につけると数倍でかくなります。デキストリンの化学反応だけでよくこんなものができるものです。

これを開発したのはPhrmacia、懐かしい名前です。その後、GEバイオサイエンスに吸収されました。いまでは試薬の最大手のシグマからも買えます。このG-50はGEからので、シグマから買ったG-100があったので見てみると、

G-50よりも目が粗いのがよくわかります。これはfineなどのサイズ分類が書いて無くて、ビーズの不均一さが目立ちます。実際、3万倍では、
 こんな感じ。編み目が随分粗いのは分画できる分子量が球状蛋白で15万以下と、G-50より大きいので、道理。でも15万のタンパクでも4nmくらいとすると、この隙間、遙かに大きく、G-50とは随分違う印象。このゴミのようなのは何でしょう。これも隙間を埋めるのに働いているのか、それとも単に合成の品質の問題なのか。もっとも水が入るとG-50よりもふくれるので、実際にゲル濾過で使うときにはどうなのかわかりませんが。ひょっとして、壁がふくらみ、隙間が埋まるのでしょうか。また表面の襞の密度も場所によってかなりムラがあります。この写真では、中央は密だけど、周辺は粗になってます。なんとなく、合成の品質が落ちるような印象。どこかにOEMさせて作ったものなのかな。

ともかく、こんなのを合成できるほど優れた技術を持ってた会社がなくなってしまったのは寂しい限り。それにしても水を入れたらどうなるのか見たいものです。だけどそれは意外と難しい。

2017年10月12日木曜日

PDF-XChange Editor

pdfを読んで、ハイライトつけたり書き込んだりするのには、フリーのreader、PDFXChange Viewerを使ってきました。とっても優れものです。ただ、さすがにページの編集、ファイルを入れたりOCRしたりはできないので、そこだけAcrobatにしてきました。現在、Acrobat XIのですが、アドビの、5年間しかサポートしない方針のために、今週末でこちらはサポート終了。このために、Abobeは新しいのを買えと、うるさく言ってきてます。だけど、新規のは年間か月々のサブスクリプションのタイプしかなくて、これはなんと、一番安いので毎月1380円、つまり2年で33120円、OCRできるProはその大体一割増し。読む以外の作業は滅多にするものじゃないのに。こんなの誰が買うんだろ?

そんなのを買ってたら納税者から怒られるので、ほかのpdfの編集ができるのを探してました。日本から、JUSTをはじめ、いろんなところからでてて、アマゾンにランキングもあります。全部やってみました。が、いずれも1万もしないのですが、PDF XChangeに慣れてると、どれも使いづら。またOCRはどれもダメ。Acrobatはさくさくやってくれるのに、実は難しいのか、とどうしたものかと思案してました。

PDFXChange Viewerを出してるカナダのTrackerでは当然ながらその有償版を出してるわけですが、これがいろいろなタイプがあって、どれがどう違うのかが実にわかりにくく、考慮してませんでした。だけどこうなるとやむをえずよく読むと、PDF-XChange Editorというのが妥当な線のようで、お試しでダウンロードしてみました。43ドルしかしませんが、使ってみると、なかなかすごい。pdfの図などが、簡単に移動したり削除したり、Wordのような感覚で使えます。そういう作業はしないでしょうが。しかも日本語のOCR、acrobatに比べると遅いですが、横書きならほぼ認識してくれます。どうも縦書きのほうが認識力が弱いような感じですが、画像の質さえ高ければ大丈夫みたい。

ならばこれを買うかと購入に進むと、アカデミック割引がある事に気がつき、その場合は連絡しろとのこと。早速メールでフォームを書いて送ったところ、すぐに大学教員である事の証明が必要と返信が来て、IDカードかHPのprofileのサイトは無いかとのことだったので、HPとORCIDのresearch profileのサイトを知らせるとこれまたすぐにOKと。メールなのがやや面倒ではありますが、ほかのソフトのアカデミック割引にくらべると時間的には随分早く購入ができました。これだと半額になります。消費税(日本のが適応)がしっかりついて、23.5ドルでPDF 編集ソフトが買えてしまいました。Acrobat pro の月単位購入だと、1ヶ月分にもならない。

そこで長年使ってきたViewerを終了して、Acrobatは削除。これでPCからアドビはなくなり、セキュリティの懸念が一つ消えました。それにしてもまったく、ソフトは調べて買わないとえらい損します。

2017年10月8日日曜日

マザボ交換失敗

単一光子計測、という、光子を数える測定をするのに使うパソコンは、SandyBridgeのCorei7 ,3.3HHzが標準仕様。これをオーバークロックして3.9Gで使ってますが、それでも蛍光寿命の測定をするときには、まともなデータにするくらいの光子をとると、計算にちょっとかかります。気になったのは、CPUの温度で、PCの状態を表示するSpeccyでは40度も行かないくらいですが、Biosでみると、普通に70度超になってます。

SandyBridgeも随分前の世代のCPUなので、ここでシングルコアではほぼ最速のCorei7 7700Kにして、オーバークロックすれば5Gくらい出せるかもと、マザボをASUSのPRIME Z270-Aに入れ替えようと、双方を購入。取り付け自体は、マザボを外して入れ替えるだけなのであっさりできましたが、OSの入ってるSSDをつないでも、Windowsはたちあがるものの、Safe modeのような状態で、いくらいじってもダメ。SATAにつないでるドライブもほとんど認識されない。そもそもSSDも6個ある端子のうち、使えたのは一つだけ、という、なんだこれは、という状態。

いくらやっても解消できず、マザボのASUSのサポートに電話。すぐにつながりましたが、スペックを説明すると、それは全くサポートしてません、と意気込んで言われて、けんもほろろ。ASUSは台湾のメーカーですが、とても良く日本語ができるひとでしたが、何がどうサポートされてないのかわからず、全くサポート外です、と怒ったように繰り返し言われるだけ。サポートされないのはわかったので、こちらはよく知らないので教えてくれと粘って、ようやくわかったのは、なるほど全く、愚かなミス。このOS、英語版のWindows7はCorei7 7700シリーズは対応してない、という致命的な問題。これは気がつかなかった。(追記、これほんとかなあ。もしかすると、WIndows7に対応してないということかも)

マシンを操作するPCなので、Windows10は怖くて使えない、というのもありますが、そもそもソフト自体がまだ正式には未対応。そのドイツのメーカーの人によると、実は走る、ということではありますが、それよりも毎月、いつ使えなくなるかドキドキしないといけないというのは困るので、正式対応版が出ても、入れるつもりはありません。

CPUがOSによって使えなくなるというのはWindowsではあまりないような気もして、うっかりしてました。したかなく、もとのマザボに戻して、それなりにほんとに元通りになるか心配でしたが、何事もなかったかのように、起動しました。ただ、元に戻しただと寂しいので、CPUクーラーだけ交換。元からついてたのは、インテルので、10円玉くらいの面積だけを冷やすタイプ。CPUは長方形なので、設置してない部分の温度が高いのでしょう。インテルが出してるくらいだから、それでいいのでしょうが、今回、Corei7 7700K用に買った、サイドフロータイプの虎徹MarkIIがかなり良かったので、これに交換。この冷却器、水冷タイプではなくて、単純に金属板を押しつけて巨大な放熱板に風をあてる、かなりシンプルなというか強引なタイプ。でも物理的に安心な感じ。取り付けも簡単で、つけてみると、Biosで見ても、50度くらいに下がりました。これくらい冷えれば十分でしょう。

結局、放熱板の交換だけになってしまいました。3.9GHzでてれば、たいして変わらないかとあきらめることに。これが5Gになっても、体感はそんなに変わらないかもしれないしと、無理矢理納得することにしました。Corei7 7700Kとマザボが余ってしまいましたが、どれかにつけてみるか。