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2017年10月22日日曜日

素数に憑かれた人たち

女房にまだこれ読んでるの、と言われてしまったくらい、珍しく長い期間、読んでました。前回、素数の音楽、で素数の分布を知る事の奥深さに魅了され、次も、かなり前に買っておいたこの本を見つけ出し、つらつら見てみたところ、面白い。素数の音楽は、あくまで誰がどうしたという話で、不満な点は、数式がほとんどないこと。出版社は、どこでもこれに気を遣うらしく、数式は極力少なくするように一般書でいってるらしい。取っつきやすくはなっても、これではほんとのおもしろさはわからない。ζ関数くらいなら式の形はわかっても、そもそもいったいリーマン予想ってなに、という不満足感が残りました。

憑かれた人々、かなり前に出版されたこの本、題名とは裏腹に、絶対にリーマン予想の面白さをわからせてやる、という著者の情熱に圧倒されます。ものすごく勉強になりました。なぜeを(πi)乗したら-1に等しくなるのか、はじめてわかったなんて、はずかしくていえやしないにしても。無限級数展開で考えると、こんなに簡単なことなのか。さらに恥をしのんで言えば、そもそも、階乗は整数限定としか知らなかったので、0.5の階乗だとか、負の数の階乗、つまり階乗が連続関数になるとは、ちっとも知らなかった。ガンマ関数なんですね。

級数展開の奥深さ、計算の順番が異なると答えが変わってきたり、定義領域しだいでほかの関数に形を変える不思議に魅了されました。1/(1-x)が1+x+x^2+x^3+x^4+....に等しくなる、そんなはずもないけど、確かに式をいじるとそういう変形もできること、数式が同じならば同一と、素人は思ってしまいますが、それは違う、本質的なことはその奥にある、という、単なる式の変形でない、ほんとの意味の数学にちょっとは触ったような気がします。

この本では数式はたくさん出てますが、複素数にしても、所詮は級数展開なので、小学生でも計算できます。少ない展開数ならばどうなるかと、Originをつかって、いろいろとやってみてました。無限級数は無理ですが。ゼータ関数もcasioの計算サイトで見つけていろいろと調べてみましたが、あんまりうまく計算できず、残念。これは、数学の先生に聞くことにしよう。

そもそも数とは何なのか、全く一般向けでありながら、これほど数学のことを学んだ本は初めてです。これくらい大学でも教えましょう。

ただ、この本、題名が悪い。この内容はこれでは全く予想できなかった。現代もPrime obsessionなので、その通りではありますが、実にもったいない。