今回、ちょっと違ったイメージングの目的で、なかなか使えそうな素材が見つからなかったとき、ふとこれが使えるかもと思ってやってみると、これが正解でした。生化学の正しい使い方をしていたときは考えたこともなかったですが、これを顕微鏡で使ってみると、きれいな形をしています。ならばと、走査型電子顕微鏡でみてみると、こんな感じ。これは300倍、かわいらしい形で、G-50という良く使うタイプ。fineというサイズ、大体、20-80umとありますが、ほんとにそれくらい。
なかなかきれいです。1300倍ではその均質な網目が見えてます。
この網の中をタンパクやDNAが入って、大きさによって移動する速さが異なることで大きいのと小さいのを分離できます。網目を3万倍で見たのがこちら。
これを開発したのはPhrmacia、懐かしい名前です。その後、GEバイオサイエンスに吸収されました。いまでは試薬の最大手のシグマからも買えます。このG-50はGEからので、シグマから買ったG-100があったので見てみると、
こんな感じ。編み目が随分粗いのは分画できる分子量が球状蛋白で15万以下と、G-50より大きいので、道理。でも15万のタンパクでも4nmくらいとすると、この隙間、遙かに大きく、G-50とは随分違う印象。このゴミのようなのは何でしょう。これも隙間を埋めるのに働いているのか、それとも単に合成の品質の問題なのか。もっとも水が入るとG-50よりもふくれるので、実際にゲル濾過で使うときにはどうなのかわかりませんが。ひょっとして、壁がふくらみ、隙間が埋まるのでしょうか。また表面の襞の密度も場所によってかなりムラがあります。この写真では、中央は密だけど、周辺は粗になってます。なんとなく、合成の品質が落ちるような印象。どこかにOEMさせて作ったものなのかな。
ともかく、こんなのを合成できるほど優れた技術を持ってた会社がなくなってしまったのは寂しい限り。それにしても水を入れたらどうなるのか見たいものです。だけどそれは意外と難しい。